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大田 佳弘 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.49 》
2018年11月30日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 藝大フレッシュコンサートシリーズに出演したのは、大田佳弘さん。ソロのみならず、和田萌子さんとのピアノデュオ『Duo Plaisir』としての演奏活動でも知られています。前半は“愛と死”、後半は“生命の喜び”をテーマに、プログラムはすべてリストの手による作品で揃えられました。原曲に加えて編曲作品も織り交ぜながら、ひとりの作曲家を多角的に見られる内容です。

 まずは《愛の夢―3つの夜想曲》。全3曲のなかでも第3番のみが単独で演奏される方が多いですが、この日は全曲を取り上げました。リスト自身の歌曲をもとに編曲されていることもあり、旋律に重点を置いた丁寧な演奏です。シューベルト〈セレナーデ〉は、ほかの編曲作品と異なり原曲のリートを尊重したもの。慈愛に満ちた、温かな音色が印象的でした。ワーグナー〈イゾルデの愛の死〉は、いかにリストが編曲の達人であったかが感じ取れます。鮮やかに浮かび上がる華麗なメロディー、ときにオペラ歌手のように旋律を歌いながら、色彩豊かに表現されました。前半の最後は、〈死の舞踏〉。スケールの大きなこの作品で、技巧ばかりにとらわれず “誰にも訪れる死” に対し、精神性のようなものを追求した演奏に感じました。

後半は、リサイタルの締めくくりにふさわしいベートーヴェンの《交響曲第7番》。ピアノ一色による管弦楽の重層な響き、そして躍動感あるリズムに乗った弾(はじける演奏で高揚感を与えました。

 拍手に応えてふたたびステージに戻った大田さんは、演奏会の前日にお子様が生まれたことを報告。プログラムの提出前に妊娠がわかり、明るいできごとを選曲にも反映させたそうです。盛りだくさんなプログラムで、ひとりの作曲家を深められた演奏会でした。

(R.K.)

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