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小山 奏司 & 増田 達斗 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.48 》
2018年10月26日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 

 東京藝術大学出身者によるコンサートシリーズ、48回目となる今回は小山奏司さんと増田達斗さんが出演しました。

 小山さんは藝大・同大学院を修了、現在はロストック音楽演劇大学(ドイツ)に学んでいます。モーツァルト《ソナタK.576》は、粒立ちの良い明るい音色で。はつらつとした第1・3楽章に挟まれた第2楽章は伸びやかで、歌心ある演奏でした。2曲目は「どうしても演奏したかった」と話した、シューベルト《即興曲集D935》。モーツァルトで聴かせた清らかな世界とは別に、痛みなど陰の部分をこの曲で織り込んだように感じました。

 後半の増田さんは藝大作曲科、同大学院ではピアノ科を修了し、現在は洗足学園音楽大学にて作曲を教えていらっしゃいます。まずは、スカルラッティのソナタを5曲。K.127、K.213、K.119、K.380、K.159と、調性など性格の異なる作品で、彩り豊かな演奏を楽しみました。ショパンの〈バラード第1番〉は、作品のなかに表現されたひとつひとつの心情を劇的に表現。「まるでオペラのよう」という増田さんの言葉のように、聴き手に強い印象を与えます。最後はクライスラー=ラフマニノフの〈愛の悲しみ〉と〈愛の喜び〉。ヴァイオリンのために書かれた作品であることを忘れさせるかのように、原曲とは異なる自由さ、迫力や悲しみを表現されました。

 ほっとした顔でふたたびステージに戻ったふたりは、ブラームス〈ハンガリー舞曲第15番〉をアンコールで連弾。「民族的な装飾、テンポの移ろいなどさまざまな要素が魅力的。25あるハンガリー舞曲のなかで、最も好き」と選曲した増田さんが紹介し、生き生きと楽しそうに披露されました。

(R.K.)

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