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ニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in 表参道
永井 希望 ピアノリサイタル 開催レポート
2018年10月25日(木) 12:00開演(11:30開場)※12:45頃 終演予定
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
10月25日の〈ニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in 表参道〉は永井希望さんのご登場です。音大生、音大卒業生のご出演が多い〈ニューアーティスト・ランチタイムコンサート〉。永井さんは東京芸術大学付属音楽高等学校第3学年に在籍している期待のピアニストです。今回のプログラムはショパンの《練習曲Op.25-6嬰ト短調》、ヴァーグナー=リストの《タンホイザー 序曲 ホ長調S.442》、ベートーヴェンの《ピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110》。はじめに演奏されたショパンは、しなやかで優美、そして大きな流れにのって、右手が輝かしい光を放ち、透明感のある音と音が共鳴しあっているようでした。次のタンホイザーはドラマチックな作品。ヴァーグナー作曲のオペラ《タンホイザー》の序曲は、ヴァーグナーらしさ溢れた管弦楽曲で、リストはこの曲の魅力を最大限活かしヴィルトゥオーゾ作品へと編曲しました。感情の波や躍動感、重々しさなどの様々な場面が感じられる表現豊かで陰影に富んだ演奏、そして多彩な音色に溢れまるでオーケストラを聴いているよう。年齢を感じさせない風格があり圧巻でした。ベートーヴェンのピアノソナタ1楽章ではショパンとは違う輝きを持つ音が印象的で、音が放り出されては消えていくというよりも、放たれた音で空間が満たされていくようでした。快活な2楽章に続き入り組んだ構成を持つ3楽章を丁寧に弾ききりました。
アンコールはシューマンの《子供の情景op.15》より〈詩人のお話〉を演奏されました。趣味に西洋文学を読むことと挙げられていた永井さんの演奏は、劇的で曲の構想がよく練られていて、あたかもこれまで長い人生を歩んできたかのように表現力豊かでした。これからのますますのご活躍がとても楽しみです。すてきな演奏をありがとうございました。
(K.T)
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