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ニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in 表参道
田母神 夕南 & 中川 真耶加 & 片田 愛理
ピアノ・ジョイントリサイタル 開催レポート
2018年
10月24日(水) 12:00開演(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 若く優秀な演奏家を紹介するニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in 表参道。この日の出演者は、田母神夕南さん、中川真耶加さん、そして片田愛理さんの3人です。

 トップ・バッターは田母神さんです。東京音楽大学ピアノ演奏家コースを経て同大学院を修了し、現在、Accademia Internazionale di Musica e Arte に在学中の田母神さんは、国際・国内の多くのコンクールで優勝・上位入賞しています。

 田母神さんの1曲目は、ハイドンのピアノソナタ第31番 変イ長調 Hob.ィ、-46です。軽やかなタッチで、古典派の様式をしっかりと踏まえた演奏でした。

 2曲目はショパンの練習曲 Op.10-1 ハ長調です。左手の低い和音に乗って、冒頭から最後まで続く4オクターヴに及ぶ上昇下降のアルペッジョが実に見事でした。練習曲の中でも極めて難しいこの曲をサラリと演奏しました。

 続いてはドビュッシーの「前奏曲集 第2集」から第7曲“月の光がふりそそぐテラス”。ショパンからガラッと変わって、夜のもやっとした空気の中に降り注ぐ月の光に照らされて、気分が高揚しているような雰囲気を感じました。

 最後はストラヴィンスキー=アゴスティ編曲の「火の鳥」より「.凶悪な踊り」「、.子守歌」「・.フィナーレ」の3曲です。田母神さんの演奏は、原曲のオーケストラを思わせるような迫力があり、激しい所と静かな所とのメリハリもはっきりしていました。テクニック、構成感もしっかりしているようで、非常に面白い演奏でした。

 2人目の中川さんは、東京音楽大学ピアノ演奏家コースを経て、同大学院を特別特待奨学生として修了し、既に現在、ソロ、室内楽の演奏活動に積極的に取り組んでいます。

 中川さんの1曲目は、オーストラリアの現代作曲家カール・ヴァインのピアノソナタ第1番です。2楽章からなるこのソナタは、激しく速い動きや、左手の和音に乗った右手の細かく速いパッセージなど、様々な要素が現れる難しい現代音楽でしたが、中川さんは淀みなく演奏し、現代作品でも面白いということを感じさせてくれました。

 2曲目は、フランクの「プレリュード、コラールとフーガ」です。細かく美しいアルペッジョの中でテーマが展開していく「プレリュード」からしっかりとしたタッチで進み、「フーガ」への繋ぎとして書かれた「コラール」でのゆったりとした静かな部分でも音楽はしっかりと流れ、「コラール」のテーマに「フーガ」のテーマが加わってクライマックスに向かって盛り上がり、最後は「コラール」のメロディーが鐘のように鳴り響いて輝かしく終わりました。

 アンコールにはショパンの練習曲Op.25から第6番を鮮やかに演奏しました。

 休憩を挟んで最後は片田愛理さんの登場です。現在ウィーン国立音楽大学大学院に在学中の片田さんは、2011年に「パウゼ」でデビュー・リサイタルを開催、14年にはドイツでのカワイコンサートに出演し、3ヵ所でリサイタルを行うなど、既に内外で演奏活動を展開しています。

 1曲目は、シューベルトの「即興曲集 D899 Op.90」より第1番 ハ短調です。第1音からクリアな音で、冒頭の静かなテーマやその後に続く何度も繰り返し展開される主題にメリハリがあって、惹き込まれていく演奏でした。

 2曲目は、ショパンの「バラード 第4番 ヘ短調Op.52」です。間の取り方がとても上手く、音楽の作り方もとても面白い演奏でした。

 最後の曲は、ラヴェルの「夜のガスパール」より第3番の『スカルボ』です。不気味な表現が出ていて、音楽の流れもあり、とても素敵な演奏でした。

 アンコールには、D.スカルラッティのソナタ ト長調 K.427でした。片田さんは楽しげな曲を楽しげに演奏して、この日のランチタイム・コンサートは終了しました。

 3人共それぞれ個性が豊かでテクニックもあり、素晴らしい音楽を聴かせてくださいました。今後の活躍が益々楽しみなピアニストたちです。

(K.Y.)

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