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川崎翔子 ピアノリサイタル 開催レポート
〜幻想のうた〜
《 東京 公演 》
2018年
10月19日(金) 開演19:00 (開場18:30)
会 場/
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 本格的な秋の訪れを感じる少し肌寒い神無月の夜、川?翔子さんのピアノ・リサイタルが開催されました。「幻想のうた」と題された今回の演奏会では、「淡く儚いものと音楽の結びつき」を感じさせるプログラムが披露されました。打鍵後は音が徐々に減衰していくピアノという楽器だからこそ生み出すことのできる音楽――その魅力を存分に感じることのできた2時間でした。

 前半1曲目は、モーツァルトの《幻想曲 ニ短調》K. 397。短調部分では哀愁に満ちた旋律が、長調部分では素朴で無垢な旋律が美しく表現されていました。まるで透明なしずくがゆっくりと零れ落ちる瞬間を思わせるような繊細な音の世界は、愛おしさすらも感じさせてくれるものでした。オリジナルでは未完となっている終結部は、従来の編者による補筆では長調で終わるように書かれているということですが、今回は川?さん自身の補筆(作曲)により、あえて短調で終わっており、ここでも彼女のセンスが光っていました。続いて演奏されたのは、シューマンの『幻想小曲集』op. 12。特に終曲の《歌の終わり》では、鐘の音のような豊かな和音の響きや、朗々と歌われる旋律が印象的でした。

 後半では、ショパンの《夜想曲 嬰へ長調》op. 15-2、《即興曲 第1番 変イ長調》op. 29、《幻想即興曲嬰ハ短調》op. 66、リストの『2つの演奏会用練習曲』と『巡礼の年 第1年 スイス』より《オーベルマンの谷》が取り上げられました。ショパン《夜想曲》での伸びやかな音や《幻想即興曲》での流麗なパッセージ、リスト『練習曲』第1番《森のささやき》でのダイナミック・レンジの広さが秀逸でした。アンコール曲には、昨年リリースされた川?さんの初のソロ・アルバムCD「VISIONS I −Dream(夢幻)―」にも収録されているというリストの《夢》が演奏されました。満席の会場から熱い拍手が送られ、和やかな雰囲気のなかで演奏会は閉じられました。

(Y. T.)

 

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