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濱田 眞子 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2018 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.9>
2018年9月13日(木) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
「東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル」全14回の第9回目が行われました。今回の出演者は、鹿児島出身の濱田眞子さん。鹿児島県立松陽高校音楽科在校時に、第14回ショパン国際ピアノ・コンクール in Asia アジア大会高校生部門で銀賞を受賞しています。卒業後、東京藝大に入学、現在は大学院修士課程1年在学中です。まず最初の曲は、J.S.バッハ/フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816です。ややロマンティックな演奏の第1曲Allemande、テンポ良く弾いた第2曲 Courante、優雅さを感じさせた第3曲 Sarabande、そして第4曲 Gavotte、第5曲 Bourre、第6曲 Loureと進み、最後の第7曲 Gigue までしっかりと弾き切り、バッハの音楽を楽しませてくれました。
ここでトークを挟み、演奏曲の紹介などをしましたが、トークを交えたコンサートは初めてだそうで、緊張した様子から初々しさが感じられました。
この後は、ラヴェルの作品が4曲演奏されました。
その最初は、「水の戯れ」です。小さな波を立てながら流れる水の表面に光が当たってきらめく様子、まるで水が戯れているかのような様が素敵に表現されていました。
続いては「ボロディン風に」と「シャブリエ風に」。どちらもラヴェルの友人の作曲家カゼッラからの依頼で書かれた小品です。前者は作曲家ボロディンの作品の特徴をワルツ形式で表され、後者はラヴェル自身が敬愛していたシャブリエの作風でグノーの歌劇「ファウスト」の中のアリアをパロディーにしたものです。濱田さんはこの2曲を洒脱に、優雅で爽やかに弾きましたが、特に後者はちょっとお洒落な感じに表現しました。この曲は濱田さんにはとても合っているように感じられました。
再びトークを挟んで、最後の曲は「ラ・ヴァルス」です。この曲は元々のオーケストラ曲を作曲者自身がピアノ独奏用に編曲したもので、弾くのは大変ですが、濱田さんはワルツの優雅さ、躍動感を上手く表現し、力強さも感じさせてくれる演奏でした。
温かい拍手に応えてのアンコールは、シャミナードの「6つの演奏会用エチュード」から第2曲『秋』。力の抜けた良い演奏でした。これからが楽しみなピアニストの登場です。
(K.Y.)
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