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EXCITING ENSEMBLE 第10回
〜若手音楽家育成応援プロジェクト 第10回〜 開催レポート
音楽監督/金木 博幸 (東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリスト)
出演:金木 博幸(音楽監督・チェロ)、五味田 恵理子(ピアノ)、稲生 亜沙紀(ピアノ)、
實川 風(ピアノ)、岸 美奈子(ピアノ)、正住 真智子(ピアノ)
2018年
6月19日(火) 18:30開演 18:00開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

 

 2013年から東京フィルハーモニー交響楽団の首席チェリスト、金木博幸さんが音楽監督としてスタートした、室内楽のコンサートシリーズ『EXCITING ENSEMBLE』。第一線で活躍する演奏家と若手が出演し、室内楽作品の演奏を通じた奏者の育成を目的とした企画です。近年は年2度のペースで開催され、この日はシリーズ10回目、最終回を迎えました。

 “集大成”として金木さんがプログラムに選んだのは、ベートーヴェンのチェロソナタ全5曲です。「若く才能あふれる方との共演は楽しいもの」と話し、第1番から順に五味田恵理子さん、稲生亜沙紀さん、實川風さん、岸美奈子さん、正住真智子さんとともに演奏されました。ベートーヴェンが20代半ばから40代半ばにかけて作曲したソナタは、チェロのレパートリーとして重要とされるもの、また演奏会で聴く機会が少ないものの両方がありますが、すべてを順に聴くことで作風の変化を感じられます。パートナーを務めた5名は、過去9回の出演者のなかから選ばれたピアニスト。それぞれの特性を表現しながら、対等に渡り合う演奏を聴かせました。

 シリーズ最終回ということもあり、アンコールもとても豪華。金木さんとの共演で、岸さんはフォーレ〈夢のあとに〉、稲生さんはエルガー〈愛の挨拶〉、正住さんはラフマニノフ〈ヴォカリーズ〉、五味田さんはカサド〈親愛なる言葉〉、實川さんはサン=サーンス〈白鳥〉を演奏されました。

「日本はピアノに限らずソロの演奏技術は高いけれども、残念ながら室内楽は音大の現場でもあまり力を入れていないため、他国より遅れをとっている」と話した金木さん。本シリーズのような、アンサンブルの場が若手演奏家のためにも新たに拡がっていくことを願っています。

(R.K.)

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