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田中 英純 & 厚木 裕香 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサートVol.42 》
2018年
6月6日(水) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 本日は東京音楽大学に在学中の大変若いピアニストのお2人、田中英純さんと厚木裕香さんのジョイントリサイタルでした。梅雨時のやや天気が安定しないなかでの開催にも関わらず、たくさんの方が開場に集まっていました。その中には、お2人と同じく若い音楽家と思しき方の姿もたくさんありました。

 先に演奏された田中英純さんは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第28番とシューマンの《交響的練習曲》という、ドイツを代表する2人の作曲家のプログラム。田中さんのピアノの音色は、力強さと優しさを併せ持っており、堅固な中にもロマンチックな要素を多分に含んだこの2つのプログラムにとても合っていました。ベートーヴェンの第28番のソナタは、ロマン主義時代への橋がかりを思わせるような優雅な雰囲気と、ベートーヴェンらしい力強い音運びと、古典的なフーガの様式と、様々な音楽要素が凝縮されていますが、田中さんはその1つ1つの要素をよく表現されていました。続く《交響的練習曲》もまた、これまで多くの演奏家達がリサイタルで取り組んできた大曲ですが、シューマンの音楽の繊細な面とダイナミックな面を巧みに引き出していらっしゃいました。

 次に演奏された厚木裕香さんは、シューベルトの最晩年の作品である《3つのピアノ曲》とショパンの《バラード》第1番と、ロマン主義を代表する作曲家達のプログラムでした。厚木さんの演奏は、安定した技術とそこから立ち現れる芯のある音が印象的でした。《3つのピアノ曲》はシューベルトの創作欲の最期の輝きを感じさせるような作品ですが、厚木さんは動と静、明と暗のコントラストをよく効かせながら、この楽曲の魅力を引き出していらっしゃいました。特に第1番のストイックな音楽の流れは、開場をとても惹きつけていらっしゃいました。その後に演奏されました《バラード》第1番もまた、会場の集中を失わせない演奏で、ショパンの哀愁漂いながらも強さを感じる音楽を表現していらっしゃいました。

 最後はほっとした表情で、ドヴォルザークの《スラヴ舞曲》を連弾でアンコールとして演奏してくださったお2人。今後のご活躍も大変楽しみです。

(A.T.)

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