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津田 真理 レクチャー & コンサート 開催レポート
〜ショパン Vol.1 解釈と演奏法〜
夜想曲 第2番 op.9-2 練習曲 op.10-12 「革命」 華麗なる大円舞曲 op.18
スケルツォ 第1番 op.20 夜想曲 第8番 op.27-2
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズop.22
2018年5月10日(木)10:30〜12:30
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
これまでもドビュッシー、リストなどのレクチャーコンサートを行ってきたピアニストの津田真理さんが、新たにショパンのシリーズをスタートさせました。作曲家の生涯を“青春時代”“パリ時代”“晩年”の3期に分け、各回解説と演奏で追うものです。
初回は10代後半〜20代前半の間に作曲された作品がテーマです。「本人が抱えていた過酷な運命とは逆の世界を感じさせる、華やかで優美な作品も数多く生まれました」とお話があり、〈ノクターン第2番〉〈革命〉〈華麗なる大円舞曲〉〈スケルツォ第1番〉〈ノクターン第8番〉〈アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ〉の6曲を時系列に取り上げました。
このレクチャーは演奏に直接関係する技術的な話題よりも、作品が書かれた時期にショパンがどのような環境におかれていたのかなどというお話が多いので、ピアノを弾かない方も充分に楽しめる内容です。「本を読んだり絵画を観ることは、演奏に繋がる」と話され、さまざまなエピソードを絡めながら解説が進みます。例えば〈ノクターン第8番〉ではショパンが「ステージに上がるのが嫌だ」と度々記していたことを紹介。その理由として「この作品はレースのように細かなニュアンスを重ねて完成するもの。譜面に記した指示があまりに詳細すぎて、返って首をしめたのではでは……」述べられました。演奏と知識の両方の側面から導き出した、ピアニストならではの“ショパン像”は興味深いものです。
アンコールは〈黒鍵〉と、〈ノクターン第4番〉、さらに質疑応答で締めくくられました。
パリで大きな成功を収めた中期を取り上げる次回は、来年春を予定。津田さんの演奏と解説を通じて、作品に込められた作曲家の心情を深く知る機会となりそうです。
(R.K.)
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