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第3回フジタ・マスタークラス 開催レポート
本場ヨーロッパで絶賛された世界的ピアノ三重奏団
フジタ・ピアノトリオと夢のレッスン・共演を表参道で!
2018 年5月3日(木)〜 5月6日(日)
5月3日(木)〜5月5日(土):公開レッスン
5月6日(日):コンサート “フジタ・マスタークラス Festival”
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

 それぞれに国際コンクール等の受賞歴のある3姉妹で結成したピアノ三重奏団フジタ・ピアノトリオが、このゴールデン・ウィークに3日間にわたるマスタークラスを開催し、その受講生が成果を披露するコンサート、第3回フジタ・マスタークラスFestivalが行われました。

 マスタークラスでの最初の演奏の録画と、このコンサートでの演奏の録画の両方が各受講生に渡されるそうです。ですからその両方を聴けば、3日間のレッスンを受けた結果、演奏がどのように変化したかを自身で感じることができるでしょう。

 今回のコンサートでは、4人の受講生がその成果を披露しました。

 1曲目は、ヴァイオリンの藤田ありささん、チェロの藤田ほのかさん、ピアノの藤田めぐみさんによるフジタ・ピアノトリオが登場し、モーツァルトのピアノ三重奏曲 ハ長調 K.548の第1楽章が演奏されました。3人とも暗譜で、非常に手慣れた感じの軽やかな演奏で、ピアノ・トリオのあり方をまず示したと言えるでしょう。

 次に1人目の受講生、ピアノの藤崎由紀子さんが登場。藤崎さんは大阪音大ピアノ専攻を卒業され、いつか室内楽を演奏したいという夢を描いていたそうです。演奏したのは、フォーレのピアノ三重奏曲 ハ長調 Op.120の第1、第2楽章。共演はフジタ・ピアノトリオの藤田ありささんと藤田ほのかさん。藤崎さんの夢だった室内楽の共演が実現し、一所懸命に合わせようとする姿勢が感じられ、素敵な三重奏になっていました。

 2人目はチェロの半澤朝彦さん。藤田めぐみさんのピアノとの共演で、ブラームスのチェロ・ソナタ第2番 ヘ長調の第1楽章を演奏しました。半澤さんは若い頃から国内だけでなく、ヨーロッパでもいろいろなマスタークラスに参加されたそうです。現在はアマチュアながら、室内楽の月例コンサートを行う程にチェロを愛していらっしゃるようです。このブラームスの大曲では第1楽章だけでしたが、そのチェロへの愛情が伝わって来るような演奏でした。

 続いては受講生2人のデュオで、ラフマニノフのチェロ・ソナタ ト短調 Op.19の第1楽章です。チェロは近堂なほさん、ピアノは中村圭子さん。数年前、近堂さんがチェロのレッスンを受けた時に中村さんが伴奏をしたのがお2人の出会いだそうで、この曲は、その時に取り組んだ2人の思い出の曲のようです。チェロは勿論、ピアノにとってはより大変なこの曲を、2人はとても上手く合わせていました。チェロは力強く、ピアノはそれを支えながらも華やかさを見せ、素敵なアンサンブルでした。

 受講生最後の演奏は、再びチェロの半澤さんの登場です。藤田ありささんと藤田めぐみさんとの共演で、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97「大公」の第1楽章が演奏されました。半澤さんは力強い音でこの名曲に取り組み、ピアノ三重奏の面白さを味わっているようでした。

 受講生の演奏をサポートし、引っ張っていく藤田3姉妹の実力も垣間見えた共演と言えるでしょう。

 休憩後の後半は、藤田3姉妹の演奏を楽しみました。

 まず藤田ありささんのヴァイオリンと藤田めぐみさんのピアノで、茅田俊一作曲の作品2曲が初演されました。1曲目は「ヴァイオリンとピアノのためのロンド ニ長調」(2017)、2曲目は「ヴァイオリンのためのピアノ伴奏付き‘子守歌’変ロ長調」(2017)。2曲ともとても懐かしいようなメロディーの曲で、心に沁み入りました。

 最後はスメタナのピアノ三重奏曲 ト長調 Op.15を3姉妹が演奏しました。冒頭のモーツァルト同様この難曲も暗譜で、非常に息の合った素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

 フジタ・ピアノトリオはイギリスを中心にヨーロッパでかなり活発に演奏活動をしているそうですが、日本でも是非演奏の機会を増やして欲しいものです。

(K.Y.)

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