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ニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in表参道
梅村 知世&寺元 嘉宏 ランチタイムコンサート 開催レポート
2018年2月26日(月) 12:00〜13:30(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 2月26日のニューアーティスト・ランチタイムコンサート 2018 in 表参道は、梅村知世さん、寺元嘉宏さんがご出演されました。

 最初に梅村さんがバッハ作曲《平均律クラヴィーア曲集第2巻第16番ト短調BWV885》を演奏されました。付点のリズムが特徴的なプレリュードをたっぷりと響かせる重厚な音で、同音連打による旋律を持つフーガを左右で織り成される旋律主題のバランスを丁寧に構築されました。モーツァルト作曲《アレグレットの主題による12の変奏曲変ロ長調 K.500》では前のバッハと季節が移り変わったかのように音色が変わり、可憐で愛らしい歌い方で、表情の豊かさに心を奪われました。続いてのシューマン作曲《フモレスケ Op.20》、タイトルの「フモレスケ」はフランス語「ユーモレスケ」のドイツ語読みで、喜怒哀楽に富むという意味を持つそうです。曲は大きく分けて6つの部分を持ち切れ目なく演奏され、タイトルにあるように部分ごとに表情を大きく変え進んでいきます。透明度の高い音色で、和音が移り変わるごとに音色が深くなっていき、また低音域をたっぷり活かし曲に奥行きが感じられ、梅村さんの豊かな表現力に終始惹きつけられました。

 寺元さんがまず演奏されたのはバッハ作曲《平均律クラヴィーア曲集第1巻第22番変ロ短調BWV867》です。短めな主題なものの要素が活かされ様々な試みがされているプレリュードをしっとりと歌われ、フーガは音型の上昇、下降に伴う音楽の変化が心地よく感じられました。次のモーツァルト作曲《デュポールの主題による変奏曲ニ長調K.573》は単純な変奏から始まり後半でよりダイナミックな展開がなされる曲です。シンプルなテーマを繊細に演奏され、音の粒が繋がれていくようでした。ショパン作曲《練習曲Op.25-10 ロ短調》ではオクターブによって激しく駆け抜ける部分と中間部の甘美な旋律の対比が見事になされ、特に中間部から冒頭の曲想へと戻るところが印象的でした。最後に演奏されたのはベートーヴェン作曲《ピアノソナタ第32番ハ短調Op.111》。アパッショナート(熱情的にという意味)の楽想を持つ1楽章、打って変わり穏やかな第2楽章を持った曲で、寺元さんは音楽の雰囲気の違いをはっきりと演奏され、第2楽章後半のトリルが響く中に歌われるメロディーが非常に幻想的でした。

 お二人の曲目がバッハの平均律、モーツァルトの変奏曲と共通していて、面白いプログラム、そして充実したコンサートでした。今後のお二人のますますのご活躍を期待しております。

(K.T)

 

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