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ニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in表参道
小塩 真愛&正田 彩音&坂本 彩ランチタイムコンサート 開催レポート
2018年2月23日(金) 12:00〜14:20(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 2月23日のニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in 表参道は、小塩真愛さん、正田彩音さん、坂本彩さんがご出演されました。

 最初に登場された小塩さんはまずバッハ作曲《平均律グラヴィーア曲集第13番嬰ヘ長調BWV858》を演奏されました。流れがよく演奏を通して呼吸が心地よく感じられました。2曲目はベートーヴェン作曲《ピアノソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」》。第1楽章は冒頭の和音連打は非常に密やかに始まり次に現れる音楽に期待が高まりました。最も印象に残ったのは第2楽章。遠くから響くような音、重厚感のある音など多彩な音の変化によって奥行きのある演奏でした。3曲目のストラヴィンスキー作曲《ペトルーシュカからの3楽章》では鋭く速い打鍵と高度な技巧に圧倒されました。

 次に登場されたのは正田さん。ハイドン作曲《ピアノソナタ第62番 変ホ短調HobXVI:52 Op.82》を安定感のある分厚い音で、短い主題からなるモーツァルト作曲《アレグレットの主題による12の変奏曲 変ロ長調 K.500》を芯のある遠くへ響く音色で演奏されました。特にハイドンでは強弱の対比がはっきりとなされ曲が引き締まっていました。続くショパン作曲《練習曲Op.25-11イ短調「木枯らし」》、メトネル作曲《ピアノソナタ第9番イ短調 Op.30》では、力の底がないのではと思えるような、体まで振動して響いてくるエネルギーに満ち溢れた演奏をされました。激しいパッセージでも旋律が浮かび上がり、迫力満点でした。

 演奏会の最後を締めくくられた坂本さんは、モーツァルト作曲《パイジェッロの「主に幸いあれ」による6つの変奏曲 K.398》を丁寧なタッチで披露されました。続く、3つのcapriccio(奇想曲)と4つのIntermezzo(間奏曲)からなるブラームス作曲《7つの幻想曲集 Op.116》では、曲ごとに音楽性を切り替える意識が強く感じられ、それぞれ織り成される音楽を深く味わうことができました。第4曲のロマンティックで甘美な旋律、そして愛らしく慈しむような演奏が印象的でした。3曲目のグバイドゥーリナ作曲《シャコンヌ》では整った音の粒で音楽の輪郭が明確になっており、とても歯切れの良い演奏でした。現代音楽という括りの音楽は概してそれ以前の音楽よりも曲の全体像を掴むのが難しいものですが、坂本さんの曲への深い理解が感じられました。

 今回ご出演されたお三方の素晴らしい演奏に、会場からも思わずため息が漏れました。これからのご活躍が楽しみです。満足度の高い、充実した昼のひと時をありがとうございました。

(K.T)

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