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ニューアーティスト・ランチタイムコンサート2018 in表参道
堀内 麻未&樋口 一朗 ランチタイムコンサート 開催レポート
2018年2月15日(木) 12:00〜13:30(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 これから国内外の大きなコンクールに挑戦しようという有望な若手ピアニストたちによる「ニューアーティスト・ランチタイムコンサート 2018 in 表参道」、今回は、桐朋学園大学3年在学中で、国内でのコンクールでは既に数々の受賞歴をお持ちという、堀内麻未さんと樋口一朗さんのお二人です。

 最初に登場したのは堀内麻未さん。1曲目はモーツァルトの「愚民が思うには」による10の変奏曲 ト長調 K.455。この曲の主題は、グルックの歌劇「思いがけない巡り会い」(又は「メッカの巡礼」)のアリエッタで、モーツァルトが即興的に書いた作品だそうです。左手でのメロディーに対しての右手の細かい動きや、メランコリックな変奏の次に明るい変奏が来たりと、モーツァルトの特徴がよく現れた変奏曲で、堀内さんはそのモーツァルトの作風をよく捉えた快活な演奏で聴衆を楽しませてくれました。

 2曲目はリストの大曲、ピアノ・ソナタ ロ短調です。迫力が必要な部分と美しいメロディーで叙情的に流れる静かな部分との対比がこの曲の一つの魅力ですが、堀内さんはその魅力を充分に引き出して、この大曲を弾き切りました。特に叙情的な部分の演奏に雰囲気があって、聴き手を惹き込んでいきました。

 続いて登場の樋口一朗さんの1曲目は、バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻から 第24番ロ短調BWV893。機械的にならず、むしろ叙情性を感じさせる演奏でした。

 2曲目はモーツァルトのピアノ・ソナタ第4番変ホ長調K.282。モーツァルト最初期の作品にも関わらず、第1楽章にAdagioを置くという、モーツァルトとしては珍しい構成の曲です。やや重い叙情的なAdagio、楽しげなメヌエット、そしてモーツァルトらしい快活さのある終楽章を、メリハリの利いた演奏で聴かせました。

 3曲目はショパンのピアノ・ソナタ第2番変ロ短調「葬送」Op.35。第3楽章に「葬送行進曲」のあるよく知られたこの名曲を、ドラマティックに、さらりと聴かせてくれました。

 4曲目と5曲目はいずれもスクリャービンの作品。まず「2つの詩曲」より第1曲Op.32-1。この曲はスクリャービンの中期の入口の頃の作品ですが、ショパンの影響がまだ感じられます。次のピアノ・ソナタ第5番Op.53も中期ですが、こちらは調性音楽から脱却した頃の作品です。どちらの曲でもスクリャービンの面白さを感じさせてくれる演奏でした。達者なピアニストという印象が樋口さんの演奏から感じられました。

 堀内さん、樋口さん、お二人とも将来が大変楽しみなピアニストです。

(K.Y.)

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