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守永 由香 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.38 》
2018年2月7日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ》のVol.38は、桐朋学園大学3年に在学中の守永由香さんの登場です。コンクールに、コンサートにと活躍する若きピアニストが、シューマンとショパンを中心とした大きなリサイタル・プログラムを組んで、フレッシュな演奏を披露しました。冒頭は、スカルラッティの「ソナタ ロ短調 K.87 L.33」で始まりました。メランコリックな調べ。会場の空気を、情趣豊か包みました。
続いて、ハイドンの「ソナタ第31番 変イ長調 Hob.??-46」。軽やかな第1楽章は丁寧に、第2楽章は優美に、第3楽章は快活にと、程よいコントラストを付けて演奏されました。
そして、ショパンの「ノクターン」を2曲。
「第7番 嬰ヘ短調 作品27-1」では、少しずつ高みへと昇り続け、ついに輝かしい世界へと到達するのですが、それも束の間、最後は夢見るように終わる…。ドラマティックな展開ですね。
「第8番 変ニ長調 作品27-2」は、高音部の気高いメロディーと、低音部の響きが創り上げる、大きな響きの空間が魅力でした。
前半最後の曲は、同じくショパンの「幻想曲 へ短調 作品49」。人生の長い旅路の末に行き着いた、終着駅を思わせるようなこの曲を、若い時に演奏するのは貴重な経験だと思いました。
休憩を挟んで、後半の最初はシューマンの「アラベスク ハ長調 作品18」。楚々としていて謎めいてもいて、素敵な曲ですね。
最後の曲は、シューマンの「ソナタ第1番 嬰ヘ短調 作品11」。守永さんにとって思い入れのある作品の一つなのだそうです。華麗なメロディーが次から次へと目まぐるしく現れる第1楽章、甘美な愛のメロディー第2楽章、優美なポロネーズと心の叫びのようなレチタティーヴォが印象的な第3楽章、大規模な情熱のフィナーレ第4楽章。渾身の演奏に、会場から大きな拍手が送られました。
アンコールの1曲目は、リストの「超絶技巧練習曲 S.139 R26より第7番『英雄』」で華麗に。2曲目はドビュッシーの「12の練習曲より第6番『8本の指のために』」を見事なテクニックで演奏。
今後の活躍が益々楽しみです。
(H.A.)
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