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矢野 雄太&和田 絢子 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.46 》
2018年1月12日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 東京藝術大学にゆかりのある若手ピアニストが出演する『東京藝術大学表参道フレッシュコンサート』シリーズ。第46回目に登場したのは、矢野雄太さんと和田絢子さんです。それぞれがソロを披露する、ジョイントリサイタル形式の演奏会が行われました。

 前半は藝大大学院を卒業後、ミュンヘン音楽劇大学を修了された和田さんによる演奏です。まずはメンデルスゾーン《前奏曲とフーガ》より第1番。各声部の輪郭を描き、バッハ的な要素とロマン的な要素を調和させ美しく歌います。2曲目のシマノフスキ《仮面劇》は、熱のこもった演奏。きらめく音色に神秘的な響きなど、曲ごとにコントラストを出しながらタイトルを描写していきます。最後はメンデルスゾーンに戻って《スコットランドソナタ》。明瞭に異なる曲想が移り変わり、ドラマティックな展開の演奏を聴かせました。

 後半は矢野さんのリサイタルです。現在ミラノ市立音楽院に留学し、指揮科に在籍されています。最初に披露したのは、J.S.バッハのカプリッチョ《最愛の兄の旅立ちにあたって》。スウェーデンに旅立つ兄の送別のために作曲され、多くの表情を含む6曲の“標題音楽”。兄を思う心が感じ取れる、やさしい演奏でした。2曲目はブラームスの大曲《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ》。穏やかに始まり、徐々に大きくうねる音楽。華やかに、しなやかに、そしてこの曲の特徴でもある起伏をつけ、深い情感を込めた熱演でした。 

 会場の拍手に応えてふたりはふたたびステージへ。アンコールとしてドビュッシーの連弾組曲、《小組曲》より〈小舟にて〉を演奏されました。

(R.K.)

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