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太田 糸音 ピアノリサイタル
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサートVol.40 》
2017年12月6日(水) 19:00開演 18:30開場
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
本年最後の『東京音楽大学 表参道 サロンコンサート』シリーズ。第40回目に出演したのは、同付属高校を2年次で早期修了し、今年度から特別特待奨学生として演奏家コース・エクセレンスに在学している、太田糸音さんです。
今回のプログラムは「今の自分が勉強すべき曲」と選曲。雰囲気が異なる4曲で、太田さんの世界観が存分に表現されました。
まずはモーツァルトのソナタ第12番K.332から。素朴な作品だからこそ、旋律やリズムに対して丁寧で実直な姿がよく感じられます。軽やかさと清楚さを持ち合わせた、チャーミングな演奏でした。
続いてはショパンのソナタ第2番《葬送》です。冒頭の和音で、1曲目のモーツァルトとは会場の空気を大きく変えます。各々の楽章に変化をもたせ、ピアノを豊かに鳴らしながらスケールの大きな音楽を作り上げました。
プログラムのなかでもこだわりが強く感じられたのは、前半最後のプロコフィエフ《4つの練習曲》。技術を要し、プロコフィエフ作品のなかでも華がある1曲です。全身で楽器の能力を引き出しながら、切れ味鋭く、ダイナミックな演奏を聴かせてくれました。
最後はラヴェル《夜のガスパール》。やわらかな音が自然に消えていったりと、不思議な感覚に包まれます。3曲それぞれで、聴き手を怪異な幻想世界に誘い込みました。
この日のリサイタルから3日後に放映となった、クラシックを題材にしたアニメ『クラシカロイド』でも演奏を担当するなど、演奏活動の幅を広げつつある太田さん。アンコールは、劇中でも演奏を担当したリスト〈愛の夢第3番〉でした。
2000年生まれの17歳、これからが楽しみな若手です!
(R.K.)
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