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日下知奈 室内楽シリーズ ベートーヴェン+(ぷらす) 全5回 開催レポート
第5回(最終回)ベートーヴェン+ストラヴィンスキー
共演Vn/ 日下紗矢子
(ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団第1コンサートマスター、読売日本交響楽団コンサートマスター)
2017年12月5日(火) 開場18:30 開演19:00
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 室内楽を中心に置いて演奏活動を続けているピアニストの日下知奈さんの、ベートーヴェンのソナタを核に他の作曲家にも光を当てた、5回にわたる室内楽シリーズ「ベートーヴェン+(プラス)」の最終回です。共演のヴァイオリニストは、第1回と同じ、日下知奈さんのデュオの原点だという妹の日下紗矢子さん。

 今回取り上げたベートーヴェンのソナタは、残りの2曲、第4番と第9番「クロイツェル」、そしてプラスの作品は、ストラヴィンスキーのディヴェルティメントです。

 まず1曲目は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 Op.23。この曲はヴァイオリン・ソナタとしては初めて短調で書かれた作品で、ベートーヴェンらしさがそれまでの3曲以上に伺える作品です。20代後半のベートーヴェンの作品を、日下知奈・紗矢子姉妹はさすがに息の合ったデュオで聴かせてくれました。

 2曲目はストラヴィンスキーのバレエ音楽「妖精の口づけ」によるヴァイオリンとピアノのためのディヴェルティメントです。あまり演奏されることがないこの曲は、元々のバレエ音楽を作曲者自身が管弦楽用に編曲し、更にそれをS.ドゥシュキンがヴァイオリンとピアノ用に直したものだそうです。ロマンティックな曲想から快活な曲想等々、なかなか変化に富んだ面白い作品でした。

 休憩を挟んだ後半は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」です。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの中でも第5番「春」と並んで非常によく演奏される名曲で、大曲ですが、2人共とても熱が入った演奏でした。シリーズの最後を飾るに相応しい曲であり、また佳演でした。

 演奏後に知奈さんは、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を5回のシリーズで演奏して、「ベートーヴェンの作品の偉大さを再発見しました」と挨拶しました。

 補助席まで出る程満員の聴衆からの惜しみない温かい拍手に応えて、アンコールにJ.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」のデュオ版を端整な演奏で聴かせてくれました。

 違う作曲家のシリーズでまたお2人の演奏を聴いてみたい、と思わせてくれたコンサートでした。

(K.Y.)

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