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中村明日美&桑原ひとみ ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
2017年11月17日(金) 19時開演(18時30分開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
11月17日パウゼにて、桐朋学園大学音楽学部をご卒業された二人のピアニスト中村明日美さんと桑原ひとみさんのジョイントリサイタルが開催されました。会場には、非常にたくさんのお客様が集まり、お二人への期待の高さが伺えました。今回のプログラムは、お二人の大好きな曲を詰め込まれたとのことで、ロマン派の作品を中心に盛りだくさんの内容で構成されておりました。最初に登場されたのは桑原さんです。今回は、編曲作品が中心となったプログラムを3曲披露され、それぞれに原曲の特徴が生かされておりました。1曲目のシューマン/リスト《献呈》Op.25-1と、2曲目のリスト《巡礼の年第2年「イタリア」》より第4番〈ペトラルカのソネット第104番〉S161では、歌曲的な息づかいや甘美でドラマティックな表現がなされ、3曲目のサン=サーンス/ビゼー《ピアノ協奏曲第2番ト短調》Op.22より第1楽章と第2楽章では、ピアノとオーケストラが創り出す豊かな響きが聴こえてくるような華やかな演奏を聴かせてくださいました。
次は中村さんの演奏で、ショパン《3つのノクターン》より第1番変ロ短調Op.9-1、《バラード第4番へ短調》Op.52、リスト《巡礼位の年第2年》より第7番〈ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲〜〉S161を披露されました。ショパンでは、旋律や和声の細やかな表情を丁寧に表現された演奏を、リストでは、立体感のある響きとダイナミックな表現で、地獄篇の凄まじさなど曲の情景が映像のように伝わってくる演奏を聴かせてくださいました。同時代に活躍した作曲家でも作品の個性は異なりますが、中村さんの演奏ではそれぞれの特徴や様式感が巧みに表現されておりました。
最後はお二人による連弾で、サン=サーンス《動物の謝肉祭》です。今回は全14曲の中から〈序奏とライオンの行進〉、〈亀〉、〈水族館〉、〈森の奥のかっこう〉、〈大きな鳥籠〉、〈化石〉、〈白鳥〉、〈終曲〉の8曲を演奏されました。描写の豊かな演奏で、華やかなパレードで動物が登場する度に、その世界にスッと入り込んでしまうような面白さを味わえました。
盛大な拍手に応えられ、アンコールも連弾でミヨー《スカラムーシュ》から〈ブラジルの女〉を披露してくださり、明るく陽気な演奏で締めくくられました。たくさんの魅力が味わえた素敵なリサイタルとなりました。
(K.S.)
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