トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2017年 > 長谷川絵莉子&足立達仁 ピアノジョイントリサイタル > 開催レポート

長谷川絵莉子&足立達仁ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサートVol.39 》
2017年
10月11日(水) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 《東京音楽大学 表参道 サロンコンサート》の第39回目は、ピアノ演奏家コース2年生の長谷川絵莉子さんと4年生の足立達仁さんによる豪華なプログラムで、たくさんの観客で埋まった会場は熱気に包まれていました。

 まずは長谷川さんの、ショパン《ポロネーズ 第7番 変イ長調 作品61「幻想」》の甘美で劇的な演奏で始まりました。ペダルを離して音が消える瞬間まで、音楽によって創られた幻想世界を壊さないように気を配っている様子が感じとれました。セヴラック《組曲「ラングドックにて」より 5.農家の市の日》では、生き生きとした音の連なりが民族的な雰囲気に自然と受け継がれ、朝の市場での日常的な情景が見えてくるような演奏でした。前半の最後はプロコフィエフ《ピアノソナタ 第2番 ニ短調 作品14》。この作曲家特有の冷たく不穏な旋律と響きで不思議な空間を演出していました。集中力が持続し、秘めたる情熱を感じさせる緻密な演奏でした。

 後半は、足立さんによるブラームス《4つの小品 作品119》で始まりました。静寂の中から浮かび上がる音を結んでいくことで、弱く儚くも鮮明にメロディは奏でられ、観客は息を潜めて聞き入っていました。

 続くラフマニノフ《楽興の時 作品16》では、6曲に渡る全ての曲が演奏されましたが、テンポの速い曲と遅い曲を交互に配置した作曲家の意図を汲み取り、メランコリック、悲壮感、激情といった様々な性格を作品に特徴付ける演奏が実現していました。特に第4曲では、左手と右手の音質を調整して互いの音を干渉させないようにする努力が印象的でした。全体的に、楽曲に対する演奏者の真摯で丁寧な姿勢に感銘を受けました。

 アンコールには、長谷川さんと足立さんの連弾でラヴェル《「マ・メール・ロワ」より 第5曲「妖精の園」》が演奏され、互いの信頼感がもたらした協調性の感じられる、楽しく素敵な演奏会になりました。

(M.S)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2017年 > 長谷川絵莉子&足立達仁 ピアノジョイントリサイタル > 開催レポート