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村上 真也ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2017 in 表参道〜
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.13>
2017年9月26日(火) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタルの第13回目は、村上真也さんの斬新なプログラムと圧倒的な技術によって、とても印象的な演奏会になりました。1曲目には、グリンカ=バラキレフ《ひばり》が選ばれ、切なさを匂わせながらも難解なパッセージをものともせずに弾きこなし、観客が一斉に息をのんだ瞬間が感じられました。続いて、ラフマニノフ《前奏曲より Op23-5、Op32-10》では、同じ括りの中に「民族風の音楽(Op23-5)と幻想的な音楽(Op32-10)」と村上さんは対照させ、作曲家のもつ繊細さとダイナミックな側面の二つの性格を理知的に表現し、見事にロシアンピアニズムを再現していました。
最後には、ルトスワフスキ《ピアノソナタ》が全楽章演奏されました。「ドビュッシーのような音楽」と村上さんが演奏前に発言されたように、ポーランドの作曲家の作品であるにもかかわらずどこかフランスの香りを醸しだしていました。色彩豊かな強弱のグラデーションに魅せられ、心地よく音楽に身をゆだねることができました。
アンコールにはドビュッシー《前奏曲 第1集 8番 「亜麻色の髪の乙女」》が演奏され、馴染み深い作品で、この都会的で洗練された演奏会は締めくくられました。
(M.S)
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