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樋口 一朗 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.36 》
2017年
9月13日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 桐朋学園に学ぶ学生が出演する『桐朋学園表参道サロンコンサートシリーズ』に、樋口一朗さんが出演しました。現在同大ピアノ科3年、昨年の日本音楽コンクールでは第1位と同時にアルゲリッチ財団賞を受賞したことで、夏に開催された『別府アルゲリッチ音楽祭』の、『世界へ羽ばたく音楽家たち』というコンサートに出演。現在、注目されている若手ピアニストのひとりです。

 コンサート前半は、ロシアの作曲家3名で構成されたプログラムです。スクリャービン《2つの舞曲》、ラフマニノフ《音の絵作品39》より第6番(赤ずきんと狼)、そしてストラヴィンスキー《ペトルーシュカからの3楽章》。スクリャービン作品の1曲目〈花飾り〉はドビュッシーを思わせるような神秘に包まれたものなのに対し、続く〈暗い炎〉では出だしこそ怪しい雰囲気のものの、徐々に激しくなる炎の揺らめきを表現し、情熱的な演奏を聴かせました。ラフマニノフでは、狼の忍び寄る低音や、赤ずきんが逃げ回るような緊迫した情景表現され、ストーリーの世界観が浮かびます。そしてこの日のハイライトのひとつ、ストラヴィンスキー。隙のないメカニックで、樋口さんが音楽と真っ向から対峙するその気迫に、会場は大いに沸きました。

 後半はショパン〈即興曲第3番〉と、ラフマニノフ《コレルリの主題による変奏曲》。変化の連続を、繊細な刺繍のように紡いでいくショパン。ラフマニノフの滋味深く弾かれたテーマに続き、スピード感あふれる20の変奏は圧巻でした。

 アンコールはグノー=リスト、歌劇《ファウスト》のワルツと、パデレフスキ《ミセラネア》より〈メロディー〉。一段と華やかに奏されたワルツの後の〈メロディー〉は、夢のなかへ静かに消えていくように結ばれ、会場はあたたかな拍手で包まれました。

(R.K.)

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