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高木 竜馬 ピアノリサイタル 開催レポート
〜 ウィーンからの風 〜
あのウィーン楽友協会 黄金のホールで、満席の聴衆を、熱狂の渦に導いた深遠なる美音。
気品ある絢爛さと驚愕のテクニックが生む、壮大なるドラマ。
2017年9月1日(金) 開場 18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 「パウゼ」で定期的にリサイタルを開催されている高木竜馬さん。約半年ぶりに同じステージに戻り『欧州の黄昏。その哀しみに哭く。』と題し、4名の作曲家を取り上げたリサイタルを開催しました。

 幕開けは、爽快なハイドンの《クラヴィーアソナタ第31番》。粒のそろった音色で、陰影をつけながらさまざまな表情の変化が繊細に感じ取れる演奏です。

 続いて披露されたのは、ショパンの《12のエチュード》。前回は作品10でしたが、今回は作品25が披露されました。弾き込まれているからこその、自信に満ちあふれた音楽です。

 後半はブラームス晩年の作品《3つの間奏曲》から。作曲家の澄んだ観照の世界を、丁寧に音に込めていきます。

 最後はシューマン《幻想曲》。ブラームスとは対照的な作品です。作曲家のうめき声や高揚感に深い祈り……。とても情熱的な演奏でした。

 本プログラム終了後は、“人気投票で決める名曲アンコール”。開演前から客席ではアンコールの話題が聞こえてくるほど、“もうひとつの本編”に期待する来場者も多いようです。ベートーヴェン〈エリーゼのために〉、ドビュッシー〈水の反映〉、ショパン〈スケルツォ第2番〉、ラフマニノフ〈パガニーニの主題による変奏曲〉より第18変奏、プロコフィエフ《戦争ソナタ》より第3楽章、そして“お約束”の〈英雄ポロネーズ〉。終演後はホワイエで来場者と談笑し、疲れを感じさせない姿がいつも印象的に残ります。

 ピアニストとして着実に演奏活動を行いながらも、今年初の開催となった『Shigeru Kawai国際ピアノコンクール』に出場するなど、自己研鑽を忘れない高木さん。謙虚で誠実な姿勢で、今後もさらに邁進されることでしょう。

(R.K.)

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