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藝大ピアノデュオプロジェクト vol.4 開催レポート
〜藝大ピアノ科教員陣による 華麗なるピアノ音楽の祭典〜
2017年7月22日(土) 18:00開演(17:30開場)
会場:東京文化会館 小ホール
使用ピアノ SHIGERU KAWAI フルコンサートピアノ 2台
 

 現在藝大で指導、または指導経験を持つピアニストが集い、2台ピアノの作品のみを取り上げるコンサートシリーズ『藝大ピアノデュオプロジェクト』。4度目の開催となる今回は、14名のピアニストが出演しました。

 まずは恩田佳奈&山田剛史による、ドビュッシー(ラヴェル編)《夜想曲》より〈雲〉〈祭り〉と、シャブリエ〈スペイン〉。ゆっくり流れる雲の動きから一転、お祭り騒ぎの華やかな曲へと続きます。

 大伏啓太&安武亮によるリスト〈ドン=ジョヴァンニの回想〉は、2台ピアノならではの演奏効果を味わえる作品。呼応した演奏で、原曲であるオペラの世界観を表現していました。

 冨士素子&東浦亜希子はサン=サーンス(バーコウィッツ編)の《動物の謝肉祭》。〈水族館〉はこの日の外の気温とは真逆、神秘的な響きで涼やかな気分にさせてくれます。

 前半最後は白石光隆&喜多宏丞によるリスト、交響詩《前奏曲》。コミュニケーションをとりながら、ピアノ一色でオーケストラの楽器をさまざまに弾き分けていきます。詩に基づき作曲家の人生観が投影されていると改めて考えると、胸に迫る音楽です。単にピアノが2台あれば、ピアニストがふたりいればできるという音楽ではないことを体感しました。

 後半は松岡淳&安田里沙によるミヨー《スカラムーシュ》と、ショスタコーヴィチが2台ピアノのために書いた〈コンチェルティーノ イ短調〉でスタート。豪胆に、繊細に、シンフォニックな響きを聴かせます。

 アレンスキーの組曲第2番《シルエット》は、大田佳弘&坂本真由美の演奏で。1曲目の〈学者〉は重々しい作品ですが、ほかの4曲は対照的な雰囲気を味わえます。2台ピアノの魅力を存分に感じられる作品です。

 最後は、新納洋介&菊地裕介のラフマニノフ組曲第1番《幻想的絵画》。プログラムの締めくくりにふさわしい、強靭なアンサンブルでした。

 演奏曲目は各組自由に決めたそうですが、結果的にフランスとロシアの間にリストが挟まるというプログラム。演奏されなかったドイツものをアンコールにと、シューベルト《楽興の時》より第3番を出演者全員による“リレー形式”で披露されました。譜面通りの頭のフレーズに続き、突然のグリッサンド!ジャズ風のアレンジには自然と手拍子が、また間に紛れ込んだ歌謡曲〈恋の季節〉のフレーズには会場から笑いが起こります。誰もが楽しめた、明るい締めくくりでした。

(R.K.)

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