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守永 由香 ピアノリサイタル 開催レポート
《 2016年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ 》
2017年
7月19日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 本日の『2016年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ』は、桐朋学園大学音楽学部3年に在学されている守永由香さんのピアノリサイタルが開催されました。守永さんは、終演後のご挨拶で今回が人生初めてのリサイタルと仰っておりましたが、そのことを感じさせないほど素敵なステージとなりました。その様子をご紹介させていただきます。

 たくさんのお客様が見守る中、サーモンピンクのドレスで登場された守永さん。最初に演奏されたのは、守永さんが一番好んでいらっしゃる作曲家シューマンの作品です。1曲目の《アベッグ変奏曲 ヘ長調》Op.1では、主題のとろけるように滑らかな表現と、細やかなパッセージの輝きのある表現が美しい華やかな演奏を聴かせてくださいました。2曲目の《アレグロ ロ短調》Op.8では、物語的な展開が面白く、役者が役を演じているような迫力のある表現が印象的でした。

 前半最後は、ベートーヴェンの晩年の作品から《ピアノソナタ第30番 ホ長調》Op.109です。羽が舞うような分散和音が美しい第1楽章、威厳と緊張感が漂っていた第2楽章、コラールのような主題に始まり、静かに時が流れていくような第3楽章。澄んだ音色で、晩年の落ち着いた味わい深い表現が巧みになされておりました。

 休憩を挟み後半は、ショパンの作品で始まりました。まずは、ノクターンを2曲です。情熱的な〈第1番 変ロ短調〉Op.9-1と甘く夢心地な〈第3番 ロ長調〉Op.9-3。いずれも、自然な息づかいで、歌のように滑らかな音の流れが感じられる演奏でした。続く《幻想ポロネーズ 変イ長調》Op.61では、冒頭の波紋が広がるような表現から様々な曲想が回想するように展開されていくような演奏で、興味深く聴かせていただきました。

 最後は、ラヴェル《ラ・ヴァルス〜舞踏詩〜》を披露されました。鮮やかなテクニックで絢爛豪華で幻想的な世界観が表現されたダイナミックな演奏に、客席から力強い拍手が贈られました。

 大曲で構成されたプログラムを抜群の集中力で弾かれた守永さん。ご挨拶と共にアンコールとしてシューマンの《ピアノソナタ第1番 嬰へ短調》Op.11より第2楽章〈アリア〉と《パガニーニのカプリスによる演奏会用練習曲》より第2番ト短調Op.10-2を演奏してくださいました。それぞれの作品に対する真摯な姿勢と愛情が伝わる充実したリサイタルでした。さらなるご活躍を期待しております。

(K.S.)

 

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