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恩田姉妹ピアノデュオリサイタル 開催レポート
2017年7月13日(木) 19時00分 開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
入場料 一般3,000円 学生1,500円 好評のうち終了いたしました。

 

 

 恩田絵美さん、恩田佳奈さん姉妹によるピアノ・デュオのリサイタル。ソリストとしての活動と共に大切にしているデュオで、お二人で東京で演奏するのは初めてとのこと。記念すべきリサイタルとなりました。プログラムは、2台ピアノと連弾の魅力をふんだんに盛り込んだ楽曲で構成されました。

 前半は、最初から2台のピアノのために作曲された作品を2曲。

まず1曲目はアレンスキーの「組曲 第1番 作品15」で、第1ピアノが絵美さん、第2ピアノが佳奈さんです。第1曲・ロマンスは、切なく物悲しい恋の物語。想う心は本物、演奏のテクニックはかなり高度でした。第2曲・ワルツは洒落た大人のワルツで、チョコレート&カクテルの組み合わせがぴったりくるようなイメージ。中〜高音部の伴奏部がワルツの旋律に絶妙に絡んで、とても素敵でした。第3曲・ポロネーズは、軽快で勇壮なポロネーズ。豪華なフィナーレとなりました。

 2曲目はモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタニ長調ハK.448」で、1曲目とはパートを入れ替えて、第1ピアノが佳奈さん、第2ピアノが絵美さんです。第1楽章は2台ピアノの楽曲の中でも名曲中の名曲。何て幸福感に溢れているのでしょう。第2楽章は中庸なテンポの厳かな歌。シンプルなので2台のバランスがはっきりと表れます。第3楽章は爽快で軽やか。まるでコンチェルトのフィナーレのようにテクニカルで華やかで、オーケストラのような多彩な響きを感じました。

 後半はまず1台4手、いわゆる連弾による作品から、最初の曲はドビュッシーの「小組曲」より3曲。プリモが絵美さん、セコンドが佳奈さんです。彩り豊かな『2.行列』、古風でエレガントな『3.メヌエット』、ダンサーの細やかな足さばき、踊りの間合いまで感じられるような『4.バレエ』。自由で、楚々としていて、とても素敵でした。

 引き続き連弾曲ですが、雰囲気をガラリと変えて、ピアソラの作品を3曲。ドビュッシーと同じく、プリモが絵美さん、セコンドが佳奈さんです。苦み走った都会の音楽「アレグロ・タンガービレ」、哀愁漂う「オブリヴィオン」、スリリングに追い込んでいく「リベルタンゴ」。お二人にとって新境地のプログラムとのことで、楽しんで演奏されていました。

 そして、最後の曲は再び2台ピアノに戻って、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」の2台ピアノ版。第1ピアノが佳奈さん、第2ピアノが絵美さんです。情感豊かなメロディーに、激しく変化するテンポ、間合い。お馴染みの有名曲で、絢爛豪華なクライマックスとなりました。

 アンコールの1曲目は、ドビュッシーの「小組曲」より『1.小舟』。水面に揺れる小舟に、穏やかな田園風景。美しくたおやかな音楽にうっとりとしました。2曲目はビゼーの「子どもの遊び」より『こま』。トリルがずうっと続き、冒険心と遊び心にワクワクしました。

 姉妹でデュオを演奏するというのは、本当に素晴らしいですね。お二人の今後が楽しみです。

(H.A.)

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