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奥谷 翔 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2017 in 表参道〜
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.5>
2017年6月28日(水) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 〈大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル〉第5回目の6月28日は奥谷翔さんのご登場です。

 前半はドビュッシー作曲《映像第1集》より〈水の反映〉、《喜びの島イ長調》を演奏されました。水を題材にした曲、水からインスピレーションを受けた曲が多い中、〈水の反映〉はタイトルにあるように水が揺らめいている、その水面の光の輝きが想像できる曲です。多彩な音色を沁み渡らせるような繊細なタッチと深い響きを持った和音で表現なさっていました。《喜びの島イ長調》はリディア旋法が用いられていおり少し不思議な感覚を覚えた方もいらっしゃったでしょう。靄のかかったような幻想的な中に響く、少し控えめな旋律が印象的でした。装飾音が多く技巧的な曲ですがそれを感じさせない大胆でダイナミックな演奏でした。

 後半はシューマン作曲《謝肉祭Op.9》全曲が続けて披露され、ドイツの曲の持つ独特な雰囲気・世界観が作り出されました。緊張感を保ちながら20曲を弾ききりました。奥谷さんの持つ精悍なタッチと男性的な演奏はドイツの音楽と非常に相性が良く、引き締まった、エネルギッシュな演奏にみなさまも心を奪われていたのではないでしょうか。

 アンコールにはシューマン作曲リスト編曲の《献呈》を演奏されました。シューマンのクララに対する気持ちが想像できるような、詩情に満ちた甘美な演奏でした。素敵なひとときをありがとうございました。今後の奥谷さんのますますのご活躍を期待しております。

(W.T)

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