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リスト音楽院の仲間たち 開催レポート
〜ハンガリーに魅せられた六人のピアニスト〜 Vol.2
2017年6月10日(土) 14:00開演 13:30開場
会場:トッパンホール
出演:金子恵、志茂征彦、揚原祥子&谷篤(バリトン)、長富彩、干野宜大、高田匡隆

 

 

 

 

 

 日本の優れた音大生も留学先として選ぶハンガリーのリスト音楽院。ここで学んだピアニストによるジョイントコンサート『リスト音楽院の仲間たち』の第2回目が開催されました。今回は志茂征彦さん、金子恵さん、揚原祥子さん、長富彩さん、干野宜大さんと、高田匡隆さんの6名のピアニストと谷篤さん(バリトン)、が、ハンガリーにゆかりのある作曲家のプログラムを披露しました。

 前半は揚原さん、志茂さん、金子さん、谷さんの4人による演奏です。クルタークの《遊び》第4巻の連弾曲を中心に、シャーリ〈ハンガリーの踊り’95〉、コダーイ=フォルデシュ《ハーリ・ヤーノシュ》から3つの作品、コダーイの歌曲にドホナーニ〈天国からの天使〉などを織り交ぜたプログラム。「ひとつの舞台のような構成」とあり、12曲は曲間の拍手がないまま進みます。短い曲の中に動と静が描き分けられた《遊び》には想像力が掻き立てられ、前半の締めくくりは、そのクルタークによるバッハの編曲で、《神の時こそ、いと良き時》より〈ソナティーナ〉(揚原さん&金子さん)でした。控えめな音楽ですが、豊かな響きに惹きつけられ、詩情あふれる心地よい時間を与えてくれました。

 休憩を挟み、後半はリストの大家、ジョルジュ・ナードルの元で学んだ3名による演奏です。長富さんによるリスト〈愛の夢〉と〈ハンガリー狂詩曲〉は、そのストレートな演奏に会場の空気が変わります。兄弟子にあたる干野さんはシューベルト〈我が宿〉、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》より〈イゾルデの愛の死〉、そしてふたたびシューベルト〈魔王〉はいずれもリスト編で。生命力にあふれた、圧巻の3曲の演奏に続き、最後は高田さんのバルトーク《舞踏組曲》。元々オーケストラ作品ではありますが、曲の持ち味が存分に生きた演奏でした。

「留学した時期は異なりますが、同じリスト音楽院で学んだメンバーです。今後もハンガリーの作品や、リスト音楽院を伝えていきたい。間を空けず、3回目を開催できれば」とコンサートの発起人のひとり、干野さんが終演後に挨拶。めずらしい曲の数々でハンガリー特有の音楽性や、ピアニズムの諸相が存分に伝わる演奏会でした。

(R.K.)

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