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千釜 有美子 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2017 in 表参道〜
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.2>
2017年5月31日(水) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 〈大学院音楽研究科修士課程一年生によるピアノリサイタル〉2回目となる5月31日は千釜有美子さんのご登場です。

 まずは数多くのピアノソナタを作曲したハイドンの『ピアノソナタ第38番ヘ長調Op.13-3』を、一音一音丁寧に、消える音までよく聴きながら演奏されました。1楽章からがらりと印象を変えた2楽章のAdagioを非常に豊かに表現されていました。時を進めロマン派のショパンより、数あるショパンのピアノ作品の中で千釜さんがとりわけ魅力的に感じている作品であるという『幻想曲ヘ短調Op.49』です。この曲は転調が頻繁に行われる美しくも力強い曲で、変化を感じながら明確な意思をもって表現しているのが伝わってくる、知的な演奏でした。

 後半のリスト作曲『巡礼の年第2年「イタリア」』より「ペトラルカのソネットOp.104」、『詩的で宗教的な調べS.173』より第7曲「葬送」は詩的な要素が非常に強い曲です。愛を謳った「ペトラルカのソネット」とは対照的な、深く絶望的な「葬送」は、暴動で亡くなったリストの友人たちへの追悼の念が込められた作品と言われています。スケールが大きく、胸に訴えかけてくるようなうねりを持った左手に深い悲しみと同時に激情を感じました。

 最後にアンコールとしてラフマニノフ作曲『ヴォカリーズOp.34-14』を、しっとりと詩心のある演奏で締めくくりました。パウゼで演奏するのは初めてという千釜さんでしたが、プログラム全体を通して、ホールを隅々までよく響かせるエネルギッシュな演奏が特徴的でした。千釜さんの今後の更なるご活躍を願っております。

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