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伊藤有加&山元香那子 ピアノ・ジョイント リサイタル 開催レポート
《 くにたちサロンコンサートin表参道 シリーズ23 》
2017年
5月9日(火) 開演19:00(開場18:30)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 5月9日パウゼにて、『伊藤有加&山元香那子ピアノ・ジョイントリサイタル』(くにたちサロンコンサートin 表参道 Vol.23)が開催されました。伊藤さんと山元さんは同級生とのことで、共に国立音楽大学をご卒業及び同大学院を修了され、精力的にご活躍なさっております。会場は非常にたくさんのお客様で賑わっており、お二方への期待の高さが伺われました。

 前半は伊藤さんです。1曲目は、ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第23番へ短調「熱情」》Op.57。作曲者が「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた後の作品ということもあり、絶望からそれを克服するまでの心境が伝わるような味わいのある演奏でした。各楽章ともに丁寧な表現がなされ、中でも、重厚で深みのある響きが心地よい第2楽章の演奏はとりわけ印象的でした。2曲目はショパン《バラード第4番》Op.52です。恩師や親友の死による悲しみから立ち直る過程で書かれた作品のようですが、仄暗さや情熱を秘めながらも決して洗練さを失うことのない演奏でした。色彩に富んだ音色と言葉を語るようになめらかな表現が大変美しかったです。

 休憩を挟み、後半は山元さんです。演奏曲目はプロコフィエフ《バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品》Op.75。原曲でのオーケストラの響きを思わせるような多彩な音色で、生き生きとした演奏が展開されました。第1曲〈フォークダンス〉から第3曲〈メヌエット〉までは街や背景の様子を、第4曲〈少女ジュリエット〉から第10曲〈別れの前のロメオとジュリエット〉までは、物語中のさまざまな登場人物の描写が見事でした。それぞれの曲の情景が映像として飛び込んで来たばかりでなく、登場人物の台詞や心理状態が演奏を通して鮮明に感じられました。本来はバレエ作品ですが、まるで映画を観ているような臨場感がありました。

 アンコールは、連弾でハチャトゥリアン(小林秀雄編曲)《剣の舞》を。息の合ったエネルギッシュな演奏で締めくくられました。お二方の音楽に対する深い愛情と真摯な姿勢が伝わる熱演に、終始力強い拍手が贈られた素晴らしいリサイタルとなりました。

(K.S.)

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