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村上 仁紀 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2017 in 表参道〜
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル vol.1>
2017年4月28日(金) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
東京藝術大学ランチタイムコンサート2017 in 表参道〈大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノリサイタル〉シリーズが本日から全17回にわたり開催されます。第1回目にご出演されたのは、この春ドイツ留学から戻られた村上仁紀さんです。わかりやすく親しみやすい解説と上質な演奏を聴かせてくださり大変充実したひとときとなりました。前半のモーツァルト《ピアノソナタ ニ長調》KV.311では、作品の意図が忠実に再現されているような丁寧な音楽作りがなされておりました。旋律や和声の表情が非常に細やかに且つ生き生きと表現され、いくつもの旋律楽器によるアンサンブルを聴いているようでした。中でも、終楽章の無邪気で遊び心に溢れた演奏は、聴いているこちらも楽しく幸せな気持ちになりました。
後半に演奏されたラヴェル《夜のガスパール》では、幻想的で各曲ともに題材となった詩の世界観が手に取るように感じられました。とりわけ印象に残ったのは、第2曲〈絞首台〉です。繊細なタッチによって作り出された立体的な響きが独特な美しさをたたえており、夕暮れ時に鐘の音が無機的に鳴り響く中で吊るされた亡骸が醸し出す不気味さが鮮明に表現されておりました。
客席からの熱い拍手に応えられ、アンコールにショパン《ノクターン》Op.9-2(ショパン本人による装飾音付き)で伸びやかな演奏を披露してくださいました。素敵な演奏をありがとうございました。
(K.S.)
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