トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2017年 > ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ Vol.10 > 開催レポート

ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ Vol.10 開催レポート
(Chamber music series Vol.10)
〜日本を代表するアーティストとヤング・アーティストのコラボレーション〜
監修: 田崎 悦子
ゲスト・アーティスト: ピアノデュオ ドゥオール 藤井 隆史&白水 芳枝
出演:田崎 悦子(ピアノ)、ピアノデュオ ドゥオール 藤井 隆史&白水 芳枝、
ヤングアーティスト:平林 咲子(ピアノ)、岩井 亜咲(ピアノ)、町永 早紀(ピアノ)
室内楽講座(公開リハーサル)
2017年3月16日(木)10:30 〜12:30 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 毎年パウゼでは、国内外でご活躍のピアニスト田崎悦子先生が、やはり国内外でご活躍のゲストアーティストおよび新進気鋭の若手アーティストとともに、Joy of Chamber of Musicというシリーズをお届けしています。今回のアーティストはピアノ・デュオのユニットとして一躍脚光を浴びているデュオ・ドゥオール(藤井隆史さん/白水芳枝さん)のお2人。室内楽のゲストとなると、どうしてもメジャーな作品の数からヴァイオリニストやチェリストが呼ばれることが多いのですが、田崎先生としてもデュオのユニットをお呼びするのは初めてとのこと。計3名のピアニストが音楽でどんな魔法をおこすのかを楽しみに、足を運びました。

 この公開リハーサルでは、デュオ・ドゥオールのお二人と田崎先生が演奏される作品のリハーサルとなりましたが、終始お三方の音響への繊細な気配りの窺えるものでした。まずデュオ・ドゥオールの紹介も兼ねてお2人の得意演目であるドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》が演奏されましたが、そこで微調整が入ったのはピアノの位置。2台ピアノの場合、ピアノがコンサート用の大型のものであればあるほど、演奏者2人の距離は遠くなり、微妙なピアノの置き方が音色の絡みやアンサンブルのしやすさに大きく影響します。

次はデュオ・ドゥオールの白水芳枝さんと田崎先生による、リストの交響詩《前奏曲》の2台ピアノ版。元々オーケストラの重厚な楽曲を2台ピアノで再現しているので、どちらのパートの演奏者にもかなりの技術と体力を課す演目です。お2人とも非常に迫力のある演奏をされますが、その中でもちょっとしたアーティキュレーションの強調などによって、楽曲の印象はがらりと変わります。田崎先生は白水さんとこの表現の仕方について丁寧に打ち合わせを行い、会場にいらしたお客様も、そうした打ち合わせを経ての音楽の変化を楽しんでいたようです。

 最後にリハーサルが行われたのはシューベルトの連弾曲で通称〈人生の嵐〉。こちらはデュオ・ドゥオールの藤井隆史さんと田崎先生との共演です。田崎先生が「この演目に非常に憧れていてぜひ一緒に弾いてほしいとリクエストした」と仰る通り、激しく情熱的な中にも気品の漂う美しい楽曲です。しかしながらその美しさを実現するには、各パートの演奏者が入念に弾き方を考えた上で、互いに息を合わせようとしなければなりません。今日もお2人の間ではテンポの采配や細かいモティーフの表現まで入念な打ち合わせが行われました。

 こうした音楽への神経を研ぎ澄ましたやりとりはアンコールのリハーサルまで続きました。日ごろのコンサートでは見れない音楽を創る過程を見ることの出来た、有意義な時間でした。

(A.T.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2017年 > ピアニスト 田崎悦子 in Joy of 室内楽シリーズ Vol.10 > 開催レポート