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エヴァン・ウォン ピアノリサイタル 開催レポート
Evan Wong Piano Recital
2016年 第6回 仙台国際音楽コンクール ピアノ部門 SK−EX使用 第2位入賞!
《東京 公演 》 カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」 (渋谷区神宮前5-1)
2017年
3月 3日(金) 19:00開演

  

 昨年の第6回仙台国際音楽コンクールで、第2位および聴衆賞を受賞したエヴァン・ウォンさんのリサイタルが開催されました。ウォンさんは、台湾育ちのアメリカ人。ジュリアードとニューイングランド音楽院を卒業後、現在ノースウェスタン大学に学ぶ27歳です。今回の来日では、大阪、名古屋、東京と仙台の4ヵ所でリサイタルを開催、この日は第3夜にあたります。

 コンサートはショパンの《3つのマズルカ作品59》で開始。まろやかな音で奏でられる弱音が、印象に残ります。シンプルな音楽のなかにある、濃密な世界。深々とした情感あふれる演奏でした。

 スクリャービンの《ソナタ第3番》。“心理状態”という標題が付いており、さまざまな状態の魂が表現されていきます。壮麗な演奏効果は、特段繊細な伴奏とともに奏でられた美しい旋律を持つ第3楽章から、情熱的なフィナーレで感じられました。

 前半最後は華やかなラヴェルの〈ラ・ヴァルス〉。混沌とした雰囲気から、徐々にワルツの要素が顔を出し、音の輝きも煌びやかさが増していきます。抑え気味のテンポで舞踏曲の性格を大切に、独特のリズムははっきりと。色彩豊かで、優雅なワルツを聴かせます。

 後半はシューベルトの《ソナタ》D958です。激しさを持ちながらも、ときにやさしく寄り添う。作曲された最晩年のシューベルトが描いた苦しみ、そして聴き手には希望にも感じられる崇高な演奏でした。

 約30分にわたる大曲の演奏を終えると、集中力と緊張感が解けておだやかな笑顔を見せたウォンさん。ピアノを無理なく歌わせ、躍動する音楽を聴かせてくださいました。アンコールはショパンの《12の練習曲作品25》より第5番でした。

(R.K.)

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