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吉武 優 ピアノリサイタル 開催レポート
〜6年間のドイツ留学を終えて。帰国記念コンサート〜
2017年2月23日(木)19:00開演 18:30開場
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 2月下旬、吉武優さんのピアノリサイタルが開催されました。6年間のドイツ留学を終えて、2016年夏に帰国された吉武さん。その記念コンサートである今回は、ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調》、ラヴェルの《夜のガスパール》、ドビュッシーの《12の練習曲》が取り上げられました。いずれも吉武さんが「ベルリンでの留学生活の中で、深い思い入れをもって付き合ってきた作品」ということで、終始、気持ちのこもった熱演を聴かせてくださいました。

 とくにベートーヴェンのソナタは抜群の安定感で奏され、第1楽章の素朴な冒頭旋律からその作品世界に引き込まれるようでした。全楽章を通してベートーヴェンらしさを感じさせる好演で、第4楽章のクライマックスに向けて少しずつ作品のピースが構築されていくさまが心地よかったです。2曲目に演奏されたラヴェルの《夜のガスパール》は、アロイジウス・ベルトランの詩集のなかの3篇「オンディーヌ」、「絞首台」、「スカルボ」にインスピレーションを得て作曲されたといわれる作品。吉武さんはそれぞれの曲が持つ雰囲気を、ラヴェル特有の色彩感のなかで巧みに表現されていました。また、ドビュッシーの《12の練習曲》では、高音域での透明感のある音色が非常に印象的でした。ベルリン芸術大学にてJ. Rouvier氏のもと研鑽を積まれた吉武さんの集大成をここに聴くことができたように思います。

 アンコールには、シューマン晩年のピアノ小品集《暁の歌》より第5曲が演奏されました。心の奥底から湧き出すような熱く切ない旋律が見事に歌い上げられており、最後まで期待を裏切らないその演奏に会場から大きな拍手が送られていました。吉武さんの今後ますますのご活躍を期待しています。

(Y. T.)

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