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橋本 堅登& 中川 翼 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサートVol.37 》
2017年
2月22日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 毎回好評を博している『東京音楽大学表参道サロンコンサートシリーズ』。第37回目は、ピアノ演奏家コース2年の橋本堅登さんと大学院修士課程1年の中川翼さんによるジョイントリサイタルが開催されました。会場には、ご学友の方々をはじめとする幅広い層のお客様が集まりました。

 前半は橋本さんです。冒頭のシューマン《暁の歌》Op.133では、オルガンの響きのような厚みのある柔らかい音色で、落ち着いた表現による味わい深い演奏を聴かせてくださいました。続いて演奏されたシューベルト《即興曲集》Op.142 D935より第1番へ短調では、曲のドラマティックな展開が面白く、かつ旋律の滑らかな流れと和声の細やかな表情が美しく表現されておりました。最後のショパン《ピアノソナタ第2番変ロ短調「葬送」》Op.35では、それぞれの楽章が持つ性格を鮮やかに表現された演奏でした。中でも、独特な曲想が狂気的で迫り来るように表現された第2楽章、重々しい行進曲の部分と回想するような中間部が共に自然な流れで表現されていた第3楽章は、とりわけ印象的でした。

 後半は中川さんによる演奏です。最初のベートーヴェン《ピアノソナタ第17番二短調「テンペスト」》Op.31-2では、しっかりとした形式感があり、主題やモティーフの展開の仕方など、細部にまで考え抜かれた丁寧な演奏を披露されました。続く、リスト《巡礼の年第3年》S.163より第4曲〈エステ荘の噴水〉では、噴水に陽の光が差しているように音の粒がキラキラと輝いており、水の様々な表情が細やかに描写されておりました。最後は、ドビュッシー《12の練習曲》から2曲を演奏されました。第11番〈組み合わされたアルペッジョのための〉では、クリスタルガラスのような澄んだ音が美しく、第12番〈和音のための〉では、立体感のある響きとお洒落で躍動感のある表現が興味深かったです。

 最後に、バラエティに富んだプログラムを熱演されたお二人へ客席から盛大な拍手が贈られました。ご挨拶の後にアンコールとして連弾で披露されたカプースチン《シンフォニエッタ》第4楽章では、生き生きとした演奏を聴かせてくださり、非常に充実したリサイタルとなりました。

(K.S.)

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