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篠村 友輝哉&黒田 哲平 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.34》
2017年2月15日(水) 開場18:30 開演 19:00
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
2月の半ば、篠村友輝哉さんと黒田哲平さんのピアノジョイントリサイタルが開催されました。桐朋学園大学音楽学部に在学中の期待のピアニストであるおふたりが、厳しい寒さをも吹き飛ばすような熱い音楽を届けてくださいました。前半は篠村さんの演奏です。シューベルトの《即興曲 変ト長調D899-3》、ブラームスの《間奏曲 イ長調op. 118-2》と《主題と変奏 ニ短調op. 18b》、スクリャービンの《ソナタ第6番op. 62》が取り上げられました。篠村さんは、大学4年間の集大成として「音楽的にも精神的にも支えてくれた3人の作曲家の作品」を選曲したとお話されていました。とくにシューベルトでは、優しく切ない旋律が繊細に歌われており、篠村さんの作曲家への愛がひしひしと伝わってくるような温かな演奏でした。また、スクリャービンのソナタでは、作品の持つ混沌とした世界観が存分に表現されていました。プログラム全体を通して、高い技術に裏打ちされたその音楽に、多くのお客様が最後の一音、その余韻まで聴き入っておられたのが非常に印象的でした。
後半は黒田さんの演奏です。シューマンの《アラベスクハ長調op. 18》と《ソナタ第2番ト短調op. 22》、ドビュッシーの『映像第1集』が取り上げられました。とくにシューマンのソナタ第4楽章では、交互に現れる穏やかなパッセージと激しいパッセージを巧みに弾き分けながら、クライマックスに向けた高揚感を見事に作り出していました。そのほとばしる情熱は、自然と聴く者の心をつかんでいくようでした。また、ドビュッシーの『映像第1集』も各曲のキャラクターを捉えた好演で、曲集としての作品の面白さを改めて感じさせてくれるものでした。演奏会の最後には、これからの大学生活のなかでレパートリーをもっと増やしていきたいと抱負を語っておられた黒田さん。おふたりの今後ますますのご活躍を期待しています。
(Y. T.)
岡本美智子先生と
辻井雅子先生、若尾佳代先生と
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