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東京藝術大学 ランチタイムコンサート2017 in 表参道
<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル vol.10>
前田 紗希 & 丸山 晟民 ランチタイムコンサート 開催レポート
2017年2月14日(火) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 東京藝術大学音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル第10回目は、前田紗希さんと丸山晟民さんがご出演されました。多くのお客様が見守る中、お二人とも上質で生き生きとした演奏を聴かせてくださいました。

 前半は前田さんです。ラヴェル《クープランの墓》から、〈プレリュード〉、〈フォルラーヌ〉、〈リゴドン〉、〈メヌエット〉、〈トッカータ〉の5曲を、豊かな音色で披露されました。躍動感に満ちていたばかりでなく、それぞれの様式感や和声の変化が作り出す陰影、響きの遠近感など、この曲の持つ美しさが余すところなく表現された繊細な演奏に、お客様もうっとりと聴き入っておられました。

 後半は丸山さんによるシューベルト《さすらい人幻想曲》D.760です。作曲家が25歳の時に書かれた作品で、希望や情熱、創作意欲に溢れています。丸山さんは、プログラムノートで「今回は、シューベルトと私の若者同士、無茶をしてみたい。」と述べられていたように、作品と一体となり、この曲の魅力を聴き手と共に味わうようなエキサイティングな演奏を繰り広げられ、心躍るステージとなりました。

 最後に客席から熱い拍手が贈られ登場されたお二人は、同郷のご出身で友人同士とのことですが、アンコールは各々で披露されました。前田さんはドビュッシーの《仮面》で白熱した演奏を、丸山さんはプッチーニの歌劇《ジャンニ・スキッキ》より〈私の愛しいお父様〉で臨場感のある演奏を聴かせてくださり、非常に充実したリサイタルとなりました。

(K.S.)

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