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鐵 百合奈 ピアノリサイタル 開催レポート
《2015年 日本音楽コンクール 入賞者シリーズ》
2017年1月24日(火) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 澄んだ夜空に星が美しく輝く1月下旬、「2015年日本音楽コンクール入賞者シリーズ」として鐵百合奈さんのピアノ・リサイタルが行われました。非常に寒い日であったにもかかわらず、早くから多くのお客様が会場に集まり、鐵さんの登場を心待ちにされていました。「ベートーヴェンの夕べ」と題された今回の演奏会は、全曲がベートーヴェンのピアノ・ソナタで構成された意欲的なプログラム。鐵さんが「ベートーヴェンの最も奥深い心情が吐露されていると感じる4曲」が披露されました。

 とくに印象的だったのは、後半のプログラムで演奏された第28番のソナタ(作品101)です。この曲は、全32曲あるベートーヴェンのピアノ・ソナタのなかでも《ハンマークラヴィーア》(第29番)に次いで演奏が難しいとされる作品。技術的な面だけでなく、精神的にも高度なものが要求される大曲であるといえます。

 第1楽章では、優しい慰めに満ちた旋律が温かな音色で奏され、不安定に揺れ動く和声の変化も繊細に表現されていました。第2楽章では、勇ましいマーチ部分とカノンによる中間部との対比がよく効いていました。また、鐵さんはプログラムノートのなかで、第3楽章について「最後は『人生はこれから』と、確かな足取りで歩き去るように弾きたい」と記しています。曲のクライマックスではまさにそのような強い意志を持って演奏されているのが伝わってきました。

 アンコール曲は《パイジェッロの『水車屋の娘』の二重唱〈わが心もはやうつろになりて〉による6つの変奏曲 ト長調 WoO. 70》(1795年)。主題の旋律が流れるように歌い奏でられており、随所に愛おしさを感じさせる演奏でした。満席の会場から温かい拍手が送られ、演奏会は和やかな雰囲気のなか終了しました。鐵さんの今後ますますのご活躍に期待しています。

(Y. T.)

  同門の守永由香さんと

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