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岡田 真季 ピアノリサイタル 開催レポート
2017年1月20日(金) 19:00開演 (18:30開場) 
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 桐朋学園大学を卒業後フランスへ留学し、2010年に帰国して以来積極的に演奏活動を行っているピアニストの岡田真季さんのリサイタルです。

 岡田さんご本人がプログラムのごあいさつに「……時代も国も、そして音楽も、一見まったく違うような二人の作曲家をひとつのプログラムに……」と書いておられるように、この日の曲目はバッハとラフマニノフだけという、異色の、そして意欲的なプログラムでした。

 まず1曲目は、J.S.バッハの「トッカータ ハ短調 BWV911」です。歯切れよく、あたかもチェンバロを弾いているかのように軽やかにバッハを奏でました。

 2曲目は、20世紀最高のヴィルトゥオーゾ・ピアニストであり作曲家のラフマニノフの「コレッリの主題による変奏曲Op.42」です。1917年に起こったロシア革命の影響で18年にアメリカに亡命したラフマニノフは、それ以後ピアノ・ソロ作品はたったの1曲しか作曲していません。その1曲がこの作品です。「コレッリの主題」とは、コレッリのヴァイオリン・ソナタOp.5のフィナーレの変奏曲『ラ・フォリア』ですが、コレッリ自身、イベリア半島に中世から伝わる舞曲『ラ・フォリア』を元にしています。このテーマと、20の変奏曲、それに間奏曲とコーダでこの曲は構成されています。超絶技巧の嵐でピアニストにとっては難曲ですが、岡田さんは見事な演奏を聴かせてくれました。

 休憩を挟んでの後半1曲目は、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番」より、プレリュード、ガヴォット、ジーグの3曲をラフマニノフがピアノ・ソロ用に編曲した作品です。本来のヴァイオリン・ソロとは違った味わいが楽しめました。

 最後はラフマニノフの「楽興の時Op.16」です。これは6曲からなる作品集で、ラフマニノフがまだ若い頃の作品ですが、やはり高度な技巧を要する曲です。岡田さんは帰国前にパリでオール・ラフマニノフ・プログラムでリサイタルを開かれたそうで、それだけラフマニノフを得意としているのでしょう。ここでもこの作品の特徴をよく表現して、素晴らしい演奏を披露しました。

 満員の聴衆からの熱い拍手に応えてのアンコールもやはりラフマニノフで、「プレリュードOp.23-10」でした。これも自信に満ちた見事な演奏でした。ラフマニノフの魅力を存分に味わうことができた一夜でした。

(H.A.)

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