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EXCITING ENSEMBLE 第7回
〜若手音楽家育成応援プロジェクト 第7回〜 開催レポート
音楽監督/金木 博幸 (東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリスト)
出演:金木 博幸(音楽監督・チェロ)、生方 正好(ゲスト・クラリネット)、 金子 淳(ピアノ)、五味田 恵理子(ピアノ)
2017年
1月17日(火) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

  

 

 東京フィルハーモニー交響楽団首席チェリストの金木博幸さんが音楽監督となり、トップアーティストと室内楽の共演を通して若手音楽家の成長と飛躍を応援する『EXCITIG ENSEMBLE 若手音楽家育成応援プロジェクト』シリーズ。第7回目は、クラリネット奏者の生方正好さんをゲストに迎え、金子淳さんと五味田恵理子さんの2名の若手ピアニストがご出演されました。今回も、金木さんのお話を交えながら聴きごたえのあるプログラムが披露され、熱演が繰り広げられました。

 前半最初は金木さんと五味田さんによるR.シュトラウス《チェロ・ソナタヘ長調》Op.6です。作曲者が10代の頃の作品ということもあり、若々しく情熱的な演奏に包まれました。また、この曲はピアノパートが大変技巧的に書かれているとのことですが、五味田さんは、多彩な音色によるオーケストラの響きを想わせる伴奏で、歌うようなチェロを支えておられました。

 続いて、生方さん、金木さん、金子さんによる、ブラームス《クラリネット三重奏曲 イ短調》Op.114です。金子さんは、柔らかな音色で一つ一つの和声がもつ性格を繊細に表現されながら、クラリネットのまろやかな音色とチェロの艶のある音色に寄り添っておられました。安定感があり、3つの楽器が対話をしているような演奏が印象的でした。

 休憩を挟み後半は、金木さんと金子さんによるショスタコーヴィチ《チェロ・ソナタ ニ短調》Op.40で始まりました。スターリン体制下のソ連時代の不穏な社会情勢が反映された作品です。金木さんは、この激動の時代を生き抜いた恩師シャフラン教授とのお話もご紹介されながら、このソナタについて詳細な解説をしてくださいました。曲の持つ二面性が絶妙に表現されており、内面に隠された社会の過酷さや絶望感などが感じられ、非常に迫り来るものがありました。

 最後は、生方さん、金木さん、五味田さんによるベートーヴェン《クラリネット三重奏曲「街の歌」変ロ長調》Op.11です。この曲は、モーツァルトの影響を受けているとのことで、モーツァルトの喜劇的なオペラを彷彿とさせるような演奏でした。当時の形式感が活かされつつ、コロラトゥーラの軽快な歌声や、三重唱のような表現が楽しく、和やかな雰囲気で締めくくられました。

 最後に出演者の皆様に客席から割れんばかりの拍手が贈られました。第一線でご活躍される演奏家と室内楽を通して共に音楽を創り上げられたことは、若手ピアニストの方々にとって貴重な経験になったことと思います。次回は7月5日(火)に開催されます。今から非常に楽しみです。

(K.S.)

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