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猪狩 雄斗&伊藤 亜純 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.41 》
2017年1月13日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 今回のフレッシュコンサートは、猪狩雄斗さんと伊藤亜純さんによるジョイントリサイタルです。おふたりは1991年生まれで、藝高入学時から藝大大学院卒業までを同級生として過ごされています。

 前半の猪狩さんによるプログラムは、バッハ=ペトリのカンタータ第208番より〈羊は安らかに草を食み〉でスタート。素朴で愛らしい主旋律に、そっと寄り添う伴奏。やわらかな音で奏でられ、のどかな牧歌的風景が目に浮かびます。続いて披露されたのは、シューマンの〈アラベスク〉。コーダで冒頭のモチーフが儚く繰り返されますが、寂しさのなかにもどこかあたたかさを感じさせます。猪狩さんの締めくくりは、同じくシューマンの初期の傑作《謝肉祭》です。スリリングな第1曲〈前口上〉に始まり、20曲が次から次へと披露されていきます。目まぐるしく変わる各曲の性格を際立たせ、物語のように情景が見える演奏でした。

 後半は、現在モーツァルテウム音楽大学大学院に学んでいる伊藤さんのプログラムです。留学先ではジャック・ルヴィエに師事しているといい、最初に披露されたのは師も得意とするドビュッシーの《映像第2集》。幻想的な世界と、要求される技巧面が調和し、透明感を保ちながらふくよかな音楽を聴かせました。最後はシューマンの《幻想曲》。穏やかなやさしさ、希望と絶望、そしてクララに対する激情が渦巻き、作品に反映された果てないシューマンの情念は、最後に炎が消えるように静かに終わります。迫力と静寂の世界が歌われた、伊藤さん渾身の熱演でした。

 拍手に応えてふたりは再度ステージに並び、来場者に挨拶。「皆さまの健康とご発展を祈って、明るく景気良い曲を!」と、アンコールはブラームスのハンガリー舞曲第6番を連弾で披露し、会場は一層華やかな雰囲気が増しました。

(R.K.)

 

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