| |||||||
|
|
大河原 梨奈&堀江 明子 ピアノ・デュオ リサイタル 開催レポート
《 くにたちサロンコンサートin表参道 シリーズ22 》
2016年12月8日(木) 19:00開演 18:30開場
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
「くにたちサロンコンサート in 表参道シリーズ」22回目となる本公演は国立音楽大学大学院音楽研究科修士課程を卒業された大河原梨奈さんと堀江明子さんによるピアノデュオリサイタルでした。前半の一曲目は連弾によるモーツアルト作曲《アンダンテと変奏 K.501》を演奏されました。シンプルでありながらも緻密さとバランスの良さが感じられ、連弾であっても重々しさを感じさせない、風通しの良い爽やかさがありました。続いてはドビュッシー作曲《映像 第1集》を大河原さんがソロで演奏されました。品良く洗練されたタッチで 颯爽とした演奏でありながらも、生き生きとしたダイナミックさも感じられました。続いて今までの雰囲気とは打って変わったモダンでおしゃれなプーランク作曲《4手のためのソナタ》を再びお二人による連弾でエネルギッシュにテンポよく演奏され、その楽しげで格好良い演奏に客席も釘付けでした。前半の最後はデュカス作曲交響詩《魔法使いの弟子》の物語の世界観を楽しみました。おどけたように動く箒や、うねるように翻弄する水の動きが鮮やかに表現されていました。元々はオーケストラのための楽曲ですが、ピアノならではの魅力も多く感じられ、お二人の魔法の力で、聴衆も物語に入ってしまったかのような素晴らしい演奏でした。
休憩を挟み、後半の一曲目は堀江さんのソロによるラフマニノフ作曲《幻想的ピアノ小品集 Op.3》を抜粋して演奏されました。哀愁を帯びた旋律を朗々と歌い上げた「エ レジー」や鐘の様々な音の重なりや美しい色合いを感じた「前奏曲」アクセントの聞いたメリハリのある「道化師」まで、様々な音の世界を楽しみました。プログラムの最後はチャイコフスキー作曲バレエ組曲《くるみ割り人形》Op.71aを再びお二人の連弾による演奏で堪能しました。クリスマスの雰囲気にぴったりな物語で、ワクワクした気分に満ちた「小序曲」「行進曲」、様々な国の情緒あふれる踊りを心ゆくまで楽しみました。色々な魅力溢れる踊りを夢中で聴いているうちに、あっという間に最後の「花のワルツ」になってしまい、この夢のようなひと時が終わってしまうのが寂しく思えてしまうほどでした。
アンコールは先日ご逝去されたお二人の先生への追悼の意を込めて、先生が好まれていたフォーレ作曲《レクイエム》より「ピエ・イエス」を演奏されました。優しく包み込むような穏やかな慈愛に満ちた演奏はきっと先生に届いていると思います。
連弾やソロを通して様々なピアノの表情を聴かせてくださったお二人の今後のご活躍を願っております。
(H.M.)
|