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中井正子 ピアノリサイタル 開催レポート
“シューマンの世界”〜『シューマン』CD発売記念コンサート〜
2016年12月2日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 コンサートサロン・パウゼにおいてシリーズで開催されている、公開講座の講師としてもお馴染みのベテラン・ピアニスト、中井正子先生によるリサイタル。今回は、『シューマン』のCDの発売を記念しての開催で、オール・シューマンによるプログラムが組まれました。

 曲目は、CDに収録されている「謝肉祭」「クライスレリアーナ」「シューベルトの主題による変奏曲」から、リサイタル前半に「謝肉祭」、後半に「クライスレリアーナ」と、2つの大作が演奏されました。

 まず、前半「謝肉祭 作品9―4つの音符にもとづく小景」から。様々な個性溢れるキャラクターたちが、次から次へと目まぐるしく行き交います。

 晴れ渡った空のように澄んだ音の響きが印象的な「前口上」、気だるさと優しさが交差する「ピエロ」、愛嬌豊かな「アルルカン」、センチメンタルな「高貴なワルツ」。そっと囁くような心の声「オイゼビウス」、焦りと衝動「フロレスタン」、気まぐれで優美な「コケット」、落ち着いた語り口「応答」。

 あっと言う間に舞い去る「パピヨン」、軽やかなワルツ「踊る文字」、深い哀しみの「キアリーナ」、ショパンへのリスペクト「ショパン」。厳しく決然とした「エストレッラ」、ロマンティックなデュエット「再会」、衝動的な激しさ「パンタロンとコロンビーヌ」、お洒落で魅惑的な「ドイツ風ワルツ」。

 超絶技巧の「パガニーニ」、慈しみを込めた「告白」、優雅な大人のワルツ「散歩」、終曲への橋渡し「休息」、そしていよいよグランド・フィナーレ、堂々たる「フィリシテ人と闘う『ダヴィッド同盟』の行進」。凄まじくも素晴らしい、ファンタジーの世界に引き込まれました。

 そして後半「クライスレリアーナ 作品16」がまた見事でした。上質な品格、第1番。なんてロマンティックなのでしょう! 第2番。指先から音がキラキラと輝いてこぼれ落ちるような第3番。優しく穏やかに夢想する第4番。甘さと切なさ、厳しさが交差する第5番。穏やかな愛に満ちた第6番。思いの丈を込めた演奏に心を揺さぶられました。

 アンコールはバッハのインヴェンションより、ピアノのレッスンでもお馴染みの、第1番ハ長調と第8番へ長調だったのですが、速度の速さ、鮮やかな演奏にびっくり。

 中井正子先生の公開講座、新シリーズは2017年5月19日を皮切りに、10月13日まで全5回、バッハのシンフォニアが取り上げられます。

(H.A.)

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