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榎本優人&松橋朋潤 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.39 》
2016年11月18日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 2016年春に共に東京藝術大学大学院修士課程を修了した、榎本優人(ゆうと)さんと松橋朋潤(ともひろ)さんという2人のピアニストによるジョイントリサイタル、≪東京藝術大学 表参道フレッシュコンサートvol.39≫です。

 まず前半は、榎本優人さん。リサイタルなどのソロ活動の他に、声楽の共演ピアニストとして幅広く活躍。更に合唱指揮・指導にも積極的に取り組んでいるそうです。

1曲目は、ラヴェルのソナチネ。小規模ながら魅力に溢れた作品で、この曲の持つキラキラした華やかさが充分に感じられる演奏でした。

 2曲目は、迫力の感じられるリストのピアノソナタ・ロ短調です。リストの最高傑作とも言えるこの難曲を、ディナーミクのメリハリをしっかりとつけたドラマチックな演奏で聴衆を惹きつけ、最後は興奮を沈めるがごとく静かに終息を迎えました。

 万雷の拍手に応えてのアンコールは、まずショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」を、正に華麗に演奏しました。続いてR.シュトラウスの「献呈」を、何と弾き歌いで披露しました。最近は歌手としても広く活動しているそうで、見事なものでした。

 後半は、松橋朋潤さんの登場です。松橋さんは大学院時代にガーシュウィンを研究なさったそうで、ここから雰囲気ががらりと変わって、ガーシュウィンの世界が広がりました。白いジャケットで登場した松橋さんの1曲目は、「3つの前奏曲」。座るや否や弾き出した第1番は、チャールストンとタンゴのリズムがブレンドされた曲で、実に楽し気に演奏。続いての第2番はブルース風子守唄。ブルーノートの雰囲気をよく出していました。第3番はスペイン風前奏曲。ノリの良い曲を非常に軽快に演奏し、高級なジャズ・クラブにでもいるかのような気分になりました。

 2曲目は、ガーシュウィンが生んだヒットソング18曲を作曲者自身がピアノ編曲した曲集「ソング・ブック」。中には2. Swaneeや13. ’S Wonderful、18. I Got Rhythmなど、よく知られている曲やジャズのスタンダード・ナンバーになっている曲もあり、非常に楽しく聴くことができました。

 3曲目は、ガーシュウィンの極め付け、「ラプソディー・イン・ブルー」。この曲はグローフェがオーケストレーションしたオーケストラ版で演奏されることが多いですが、2台ピアノでも演奏されます。ここでは松橋さんのソロですが、非常にテクニシャンの彼は見事に1台で表現して、ガーシュウィンの魅力を存分に味わわせてくれました。聴衆もノリにノッて喝采をしましたが、松橋さんは「“ラプソディー・イン・ブルー”に勝てる曲がないので、アンコールはしません」と挨拶をして、この日のコンサートは終了しました。

 個性の違う若い2人のピアニストの今後が大いに楽しみになったコンサートでした。

(K.Y.)

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