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上川 佳連 ピアノリサイタル 開催レポート
《表参道ランチタイムコンサート 2016》〜上野学園大学〜
2016年10月21日(金) 12:00開演 11:30開場
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 10月21日の『表参道ランチタイムコンサート』は、上野学園大学演奏家コース4年に在学されている上川佳連さんのピアノリサイタルでした。この日はショパンとラフマニノフの練習曲で構成された意欲的なプログラムで迎えてくださいました。

 前半は、ショパン《練習曲》Op.10です。柔らかく安定感のある音色で、自然な呼吸を感じられる滑らかな演奏を展開されました。とりわけ印象に残ったのは、内声やバスの旋律からパッセージでの細やかな音の動きに至るまで、一つ一つの音の表情を細やかに表現されていたことです。この練習曲の持つ繊細な美しさが存分に引き立っておりました。

 後半は、ラフマニノフ《練習曲「音の絵」》を抜粋で9曲演奏されました。冒頭のOp.33-5での凛とした空気感、賑やかな定期市(Op.33-7)や、必死に逃げる赤ずきんを狼が追いかける様子(Op.39-6)など、ダイナミックかつ多彩な音色でそれぞれの情景が鮮やかに描写されており、まさにこの曲集のタイトルにふさわしい演奏に思いました。

 高い演奏技術と音楽性が求められるこれらの練習曲を抜群の集中力で熱演された上川さん。客席からの盛大な拍手に応え、ご挨拶の後アンコールに披露されたベートーヴェン《ピアノソナタ第22番へ長調》Op.54より第2楽章では、かっちりとした形式感の中に迸るような勢いのある演奏を聴かせてくださいました。それぞれの曲の魅力を改めて実感できた素敵なリサイタルでした。今後のさらなるご活躍を期待しております。

(K.S)

 恩師、川田健太郎先生と

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