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高岡 準 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.38 》
2016年10月14日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 《東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート》のVol.38は、同大大学院修士課程を修了し、国内外においてソロ演奏をはじめ室内楽や伴奏活動などを精力的に行っている新進ピアニスト、高岡 準さんの登場です。ユニー クな企画のコンサートにおいても注目されています。

 今宵のコンサート最初の曲は、ラヴェルの「水の戯れ」。丹念で歌の心にあふれた、個性的なラヴェルでした。

 続いて、ドビュッシーの前奏曲集第2集より第12番「花火」は、ダイナミックな演奏で会場を圧倒。素晴らしいテクニックでした。

 フランス音楽2曲のあとは、リストを3曲。超絶技巧練習曲S.139より第4番「マゼッパ」は豪快かつデモーニッシュに、クライマックスまで疾走しました。詩的で宗教的な調べS.173より第6曲「眠りから覚めた御子への賛歌」はメランコリックで純粋な、心の歌。3つの演奏会用練習曲S.144より第3曲「ため息」は美しい調べが風に乗るように流れ、熱い盛り上がりをみせました。

 前半のラストは、ベートーヴェンの創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80で雰囲気一新、硬派な演奏で引き締めました。几帳面にノンレガートで弾かれる旋律により緊張感が際立ち、ストレートに、時にロマンティックに、ベートーヴェンの魅力が伝えられました。リストの後に弾かれるベートーヴェン。新鮮ですね!

 コンサートの後半は、前半最後に演奏したベートーヴェンの変奏曲の緊張感をさらに突き詰めて、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番へ短調 作品57「熱情」。究極の緊張感に迫らんとする第1楽 章、天国の調べに満ちた美しい第2楽章、疾走する迫力の第3楽章。渾身の演奏に、会場からは大きな拍手が送られました。

 拍手の中、アンコール曲を弾かずに、ピアノの蓋を静かに閉じた高岡さん。「熱情」のあとに弾く曲は考えられません、というメッセージでしょうか。そこには大きな充実感がありました。今後が楽しみなピアニストです。

(H.A.)

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