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古海行子&尾崎未空 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 ニュー・アーティスト シリーズ2016 in 表参道 》
2016年10月9日(日) 18:00開場 18:30開演
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
現在、昭和音楽大学のピアノ演奏家コース、同附属ピアノアートアカデミーに在籍している古海行子さんと、尾崎未空さん。数々のコンクールで入賞し、国内外の多数のオーケストラと共演経験を持つなど、若手ピアニストのなかでも注目されているおふたりによるジョイントコンサートが開催されました。まずは古海さんの演奏です。ショパン〈ポロネーズ第5番〉、パデレフスキは《ミセラネア》より〈メロディ〉と《6つの演奏会用ユモレスク》より〈スカルラッティ風カプリス〉の2曲、モーツァルトの《ピアノソナタ第9番》と、メンデルスゾーンの幻想曲《スコットランドソナタ》。なかでも〈メロディ〉は優しく繊細に奏でられる旋律の裏に、どこか切ない表情を秘めた演奏が印象的でした。短い作品ではありますが、古海さんの世界に一気に引き込まれていきます。
後半は尾崎さんが5曲披露されました。ハイドン《ピアノソナタHob.XVI:50》、古海さんと同じくパデレフスキの作品集からは〈メヌエット〉と〈レジェンド〉、ドビュッシー《喜びの島》、シマノフスキ〈変奏曲〉です。最後の〈変奏曲〉は音が複雑に絡み合い、技巧面も要求される作品ですが、高い集中力で深い音楽にまとめあげていました。前半のとてつもなく暗い闇から、徐々に光が差し明るくなり、力強く華々しいラストへ向かう、とても濃厚な演奏でした。
尾崎さんの演奏後は、拍手に応えて古海さんもふたたびステージに。「今日はふだん一緒に学んでいる古海さんと演奏会を行えてうれしいです」と尾崎さんがひと言お話しされ、締めくくりに連弾でドビュッシーの《小組曲》より〈バレエ〉を披露されました。タイミングをそろえてお辞儀をする様子はほほえましく、まだ初々しさが残るおふたり。今後の活躍に、ますます期待したいと思います。
(R.K.)
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