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東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道
<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル vol.4>
大塚 菜々子 & 尾城 杏奈ランチタイムコンサート 開催レポート
2016年11月22日(火) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
『東京藝術大学音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル』シリーズ第4回目は、大塚菜々子さんと尾城杏奈さんがご出演されました。会場は多くのお客様で賑わっており、お二人への期待の高さが伺えました。前半は大塚さんで、最初にメンデルスゾーン《幻想曲 嬰へ短調「スコットランド・ソナタ」》Op.28を演奏されました。伸びやかで、羽が風に舞うような分散和音が美しかった第1楽章、のどかで清々しい第2楽章、6連符が嵐のようにめまぐるしく動き、ほとばしるような終楽章。柔らかく多彩な音色で曲の持つ歌のような旋律の流れが美しく表現されておりました。続いて演奏されたワーグナー=リスト《「さまよえるオランダ人」の紡ぎ歌》では、糸を紡ぎながら陽気で楽しげな歌が聴こえてくるような軽快な演奏に心が踊りました。
後半は尾城さんです。1曲目のスクリャービン《ワルツ 変イ長調》Op.38では、クリアな音色と透き通った響きが美しく、大きな息づかいによる伸びやかな表現が印象的でした。2曲目のショパン《舟歌 嬰ヘ長調》Op.60では、和声や旋律の繊細な動きが丁寧に表現され、どことなく陰りを帯びながらも幻想的な演奏でした。最後に演奏されたリスト《パガニーニによる大練習曲》より第3番〈ラ・カンパネラ〉では、メインの旋律が滑らかに表現され、鐘があらゆる方向から様々な音色で豊かに鳴り響いているような演奏を聴かせてくださいました。
鳴り止まない拍手に応え、アンコールはお二人の連弾でラヴェル《スペイン狂詩曲》より第4番〈祭り〉で鮮やかな演奏を披露されました。お二人ともに統一感のあるプログラムと質の高い演奏を展開され、最後まで非常に楽しめた素敵なリサイタルでした。
(K.S.)
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