トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2016年 > 東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道

 > 青島 周平&秋山 紗穂 ランチタイムコンサート > 開催レポート

東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道
<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル vol.1>
青島 周平&秋山 紗穂 ランチタイムコンサート 開催レポート
2016年10月7日(金) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 本日から始まる東京藝術大学音楽学部1年生のランチタイムコンサートのシリーズ、初回の今回は、青島周平さんと秋山紗穂さんが出演されました。会場は若き才能への期待の高まりゆえか、秋とは思えないほどの熱気に包まれていました。

 まず登場されたのは青島さん。ショパンの《ピアノ・ソナタ第2番》を演奏されました。第1楽章では、ソナタ形式の構築感、その組み立ての妙が味わえました。第2楽章では徹底した緊迫感と中間部の優しげな旋律との対比が非常に巧みで、一転して静寂が支配する第3楽章の葬送行進曲は、まさしく葬列が歩くように、早すぎず遅すぎず、演奏者の息遣いが感じられるような演奏でした。非常に短い最終楽章は、単旋律のユニゾンで占められているはずなのですが、青島さんのペダリングとタッチは、単旋律の連続の中にショパンが隠した和音や転調のベールを剥がしてくれるような、新たな発見のある演奏だったように感じました。

 続いて秋山さんによるシューマンの《ピアノ・ソナタ第2番》が演奏されました。第1楽章はシューマンの心の中を表現しているのか、切迫した表情が目立つ曲です。秋山さんはそれをはっきり表現しつつ、よく目立つ高音部だけではなく、それと並行する低音部にも、美しい旋律が存在していることを、はっきりと示してくれました。緩徐楽章である第2楽章の寂寥感、不協和音が響く第3楽章の深刻さは、どちらもシューマンの心の中を表すような、深みのある演奏でした。第4楽章は非常に急速な主題と、寂しさ・詩情のある対照的な主題が絡み合う楽章ですが、その対比と、とりわけゆったりとした主題の温かみと奥深さが、心に迫ってきました。

 今回お二人が演奏された二曲は、どちらもロマン派の短調のピアノ・ソナタという共通点を持っていますが、これらを続けて聴くことで、それぞれの作曲家の個性、「ロマン派」や「短調」という枠の幅広さ、そして何よりも演奏者の個性が感じられ、大変楽しい一時間でした。

 アンコールにはお二人がそろって登場、息の合った連弾でラフマニノフの《6つの小品》から軽妙な〈スケルツォ〉、ブラームスの《ワルツ集》から伸びやかで美しい第15番を演奏され、耳を楽しませてくれました。

<A・Y>

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2016年 > 東京藝術大学 ランチタイムコンサート2016 in 表参道

 > 青島 周平&秋山 紗穂 ランチタイムコンサート > 開催レポート