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佐藤 優 & 正田 彩音 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.35 》
2016年
10月5日(水) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 《東京音楽大学 表参道 サロンコンサート》のVol.35は、同大学ピアノ演奏家コースに在学中のフレッシュなお二人の登場です。3年生の佐藤 優さんと、1年生の正田彩音さん。既に様々なコンペ ティションやコンクール等でも評価を得ているお二人で、今回のコンサートでは各々、1曲目と2曲目にロマン派の楽曲、3曲目に現代曲、という同じ構成でプログラムを組みました。構成が同じなので、どんな曲を選ぶかということ自体がそれぞれの個性をしっかりと伝えているように感じられ、とても興味深かったです。

 コンサート前半は、佐藤 優さん。最初の曲は、メンデルスゾーンの幻想曲 嬰ヘ短調 作品28「スコットランド・ソナタ」です。深刻で哀しげなテーマの第1楽章、愛らしく素朴な第2楽章、怒濤の展開をみせる第3楽章。自然な抑揚、まろやかな味わいが素敵でした。 続いて、ショパンのスケルツォ第4番 ホ長調 作品54です。思いがけない気まぐれな変化をし続けるこの作品。軽やかな羽のような演奏で、優しい音色が魅力的でした。 ラストは現代曲、リゲティのムジカ・リチェルカータより、III、IV、V、VI、VII、VIII。挑戦的で実験的、面白い冒険に満ちたこの作品を、佐藤さんはとても楽しそうに、生き生きと演奏されていました。先程までのロマン派の作品とは、驚くくらい全く別の個性で、とても新鮮でした。 コンサート後半は、正田彩音さん。最初の曲は、シューマンのピアノ・ソナタ第3番 へ短調 作品14です。繊細さとダイナミックさを併せ持った第1楽章、付点のリズムが見事な展開をみせる第2楽章、ありったけの哀しみを込めたような美しい変奏曲・第3楽章、豊かな歌心と共に高度なテクニックを駆使する第4楽章。ダイナミックな演奏が素晴らしかったです。 続いて、リストのスペイン狂詩曲 S.254です。キラキラと降り注ぐスペインの明るい陽光、夢のような楽しい展開……。超絶技巧を駆使した、迫力の演奏でした。 ラストは現代曲、ウクライナの作曲家カプースチンの、ドゥヴォイリンの主題によるパラフレーズ 作品108です。珍しい作品ですね。ジャジーな要素満載、都会的で陽気。大胆で魅力的な演奏でした。 アンコール曲は連弾で、バッハの管弦楽組曲第2番より、ポロネーズ、ドーブル、メヌエット、バディネリ。プリモ佐藤さん、セコンド正田さんで演奏されました。仲良く息の合った演奏。ソロを終え、リラックスした雰囲気の中、学生さんらしい瑞々しい演奏が素敵でした。お二人の今後が楽しみです。 

(H.A.)

 

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