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日本ショパン協会 第275回例会
稲生 亜沙紀 ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.31》
2016年
10月1日(土) 18時30分開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 若手ピアニストに演奏機会を与えることを目的として企画されているコンサート『日本ショパン協会パウゼシリーズ』。今回は東京藝術大学を卒業後、同大学院とチューリッヒ芸術大学に学んだ稲生亜沙紀さんが出演されました。現在はソロ、室内楽の演奏活動に指導にあたるほか、サントリーホール室内楽アカデミーフェローとして、さらなる成長をはかっていらっしゃいます。

 この日のリサイタルは、ショパンとシューマンの作品で構成された意欲的なプログラムです。「互いを認め合いながら、趣の全く異なる美しさ、音楽の語り口を持つ同い年のふたりを、ひとつのプログラムとして演奏することは私のひそかな夢でありました」と言うほど、念願の内容だったようです。

 前半はショパン《2つのノクターン作品27》、《3つのマズルカ作品59》、〈舟歌〉と〈幻想ポロネーズ〉です。静謐に奏でられる〈ノクターン〉の2曲にはじまり、気品と情熱を持ち合わせた〈舟歌〉、感情が交錯し技術を要する〈幻想ポロネーズ〉と、流れを作りながらさまざまなショパンの音楽を丁寧に演奏されました。

 後半はシューマンの《クライスレリアーナ》。作曲家の魅力が8曲に凝縮されている作品です。なかでも第2曲では、ゆったりとした夢のような幸福感に包まれました。多様に楽想が入れ替わるところがこの作品の特徴であり、演奏における難しさでもあると思いますが、知性をも感じとれる自然な音楽性は、聴いていて心地よいものでした。

 観客の拍手に応え「良い夢を見られますように」と演奏されたアンコール曲は、シューマンの〈トロイメライ〉。心に染み入るその音楽は、演奏が終わっても余韻が観客を包み込みました。

(R.K.)

  

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